空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
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48 巻, 313 号
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学術論文
  • 温熱環境実測とシミュレーションによる熱負荷削減の検討
    山口 温, 武田 仁, 磯崎 恭一郎, 遠藤 智行
    2023 年 48 巻 313 号 p. 1-9
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    環境負荷低減を目的としたダブルスキン(以下,DS)と称される技術は,近年も様々な建物のファサードに採用されている。DS は,特に冷房負荷削減のため換気性能が重要となるが,DS の換気経路は複雑でその正確な換気量の把握は難しい。そこで,本研究は DS を採用した実建物において,給気ファンを用いた強制換気により換気量を把握し,DS の熱挙動について明らかにした。また,二酸化炭素濃度法による実験から自然換気の換気量を求め,総合実効面積αA を算出し理論式に用いた。実測値と理論値の整合性を検証した上で,オフィスビルを対象にシミュレーションにより DS の有無及び換気回数の違いが年間冷房負荷に与える影響について明らかにした。

  • 木虎 久隆, 宮田 翔平, 赤司 泰義
    2023 年 48 巻 313 号 p. 11-21
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究では蓄熱槽を有する既存のDHC システムを対象とし、日本市場で想定されるDR 指令に対応するための方法とコストも考慮した実現可能性をシミュレーションにより定量的に示すことを目的とする。そのためにまず、日本における DR市場の状況を整理して対象とするDR指令やコスト条件の想定を明示した。次に下げDRにおける蓄熱槽の活用戦略を提示し、その戦略に基づく夏期・冬期における下げDR のシミュレーションを実施した。想定されるDR 市場とシミュレーション結果を踏まえて下げDRの経済性を評価した。また、現在は制度が検討中であり将来的に必要と考えられる中間期の上げDR についても同様にシミュレーションより評価した。

  • 第5報−窓対策設備からのプルームによる窓面近傍の上昇流モデル
    加藤 正宏, 山中 俊夫, 小林 知広, 大西 直紀
    2023 年 48 巻 313 号 p. 23-33
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2024/04/05
    ジャーナル フリー

    大面積の窓を有する空間においては,暖房時に冷放射やコールドドラフト,上下温度差により温熱環境が悪化しやすい。エントランス・吹抜空間や,窓性能が弱く窓近傍の温熱環境悪化が懸念される場合には,ペリメータファンや自然対流型ペリメータヒータなどの窓対策設備の使用が検討されることが多い。本報ではペリメータヒータを窓下部に設置し,プルームによる上昇流が生じる場合を対象として,上下温度分布予測モデルへの適用を目的とした窓面近傍気流のモデルを構築した。また窓面の冷却が上昇流に与える影響を把握するために実施した実験結果との比較により,計算モデルの有効性の確認を行った結果を報告する。

技術論文
  • 第2報−新型コロナウイルス感染症の流行前後における健康及び作業効率の変化
    森重 優子, 白石 靖幸, 安部 祐子, 林 立也, 伊香賀 俊治, 藤野 善久
    2023 年 48 巻 313 号 p. 35-43
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2024/04/05
    ジャーナル フリー

    ワーカーにとってオフィスは多くの時間を過ごす場所である。そのため、オフィス環境やそこでの働き方は知的生産性だけなく、健康面へ影響を与える可能性を有している。前報ではワーカーの執務環境主観評価ツールの開発及び同ツールを用いたアンケート調査を実施し、ワーカーの周辺環境がワーカーの健康及び知的生産性に影響を与える可能性を明らかにした。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行等によりワーカーの周辺環境に変化が生じていることが考えられる。そこで本研究では再度調査を実施し、ワーカーの働き方の変化について明らかにした。また、前回調査からのスコアの変化より、ワーカーの健康及び作業効率向上に影響を与えると考えられる環境要因について検討した。

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