近年,再生可能エネルギーの導入拡大に伴い分散型エネルギーシステムの重要性が高まっている背景を踏まえ,地域冷暖房システムの需要家建物に太陽熱利用システムを導入し,需要家と地域冷暖房プラントが双方向熱融通を行う新しいシステムを提案する。双方向熱融通を再現可能なモデルを含むシミュレーションを構築し,適切な制御方法を検討した上で,その省エネルギー性能を定量的に明らかにした。さらに,ケーススタディを通して,本手法に適しているプラント機器構成や需要家構成を検討した。今後の課題としては,本システムに他の再生可能エネルギーや電力供給機能を加え,全体のエネルギー需給調整が可能なシステムの検討が挙げられる。