地球温暖化等で気候が変動すれば空調設備設計用気象データも変動し常に更新する必要があると思われる。第 1 報 1)で報告した東京の気象デ ータに最近の気象データを追加し Annual Cumulative Frequency of Occurrence(以降、TAC 法と標記する)による設計用気象条件を作成した。長期の毎時気象データおよび TAC 法設計用気象条件による瞬時冷暖房負荷を算出し超過度数および気象データ採用期間の検討を行った結果、最近の気象データを考慮した TAC 値を作成するのが望ましいとの結論に達した。
再生可能エネルギー由来の電力の高度利用手法としてデマンドレスポンス(DR)が特に有効とされるが,ダイナミック料金設定は,日々電気料金が変動する為,需要家の建物運用に大きな負担となる恐れがある。経時変化する DR プログラムへの参画を可能とする予測制御手法の一つとしてモデル予測制御(MPC)が期待されている。本報では DR による再生可能エネルギー利用効率の上昇,需要側のインセンティブの向上を目的とし,これらに関する技術動向を調査し,現在の動向,今後の課題を述べる。課題としては BIM 連携でのモデル構築の簡略化・汎化,高速 DR に対応できる戦略検討が別途必要であることを確認した。
浴場のろ過循環設備において,節水・省エネルギーを図る方法としてオーバーフロー回収システムがあるが,衛生性の確保に問題があるとされている。本報では,衛生性に配慮し,維持管理のしやすいタンクレスオーバーフロー回収システムについて設計法・運用法を述べる。また,本システムによる節水・省エネルギー効果,CO2排出量の削減効果も示した。