日本臨床麻酔学会誌
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17 巻, 1 号
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  • 小川 龍
    1997 年 17 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 大堀 久, 津田 喬子
    1997 年 17 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    星状神経節ブロック(SGB)後の1回換気量減少の機序を明らかにする目的で,SGB療法中の患者を対象にSGB前,後の二酸化炭素(CO2)換気応答をReadの再呼吸法を応用して解析した.対照群として健常者に,生理食塩水の星状神経節部注入を行ない同様の検討をした.終末呼気CO2分圧を横軸に,1回換気量あるいは分時換気量を縦軸にとり,比較したところ,局麻薬によるSGB後には傾きが減少した.しかし生理食塩水の注入では一定の傾向を認めなかった.SGBはCO2換気応答を抑制し,それが安静時1回換気量,分時換気量,SpO2の減少の一因である可能性が示唆された.
  • 濱田 良一, 新井 としみ, 石崎 卓, 伊藤 寛之, 横山 英一郎, 一色 淳
    1997 年 17 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    等比重局所麻酔薬の注入速度が,脊椎麻酔レベルに与える影響を下肢手術症例50例を対象にして比較検討した.等比重テトラカイン液15mg(0.5%)の注入速度を0.4(I群),0.2(II群),0.1(III群),0.05(IV群)および0.017ml/s(V群)に分け,L2-3椎間から脊椎麻酔を行なった.ピンプリックによる無痛域と局所麻酔薬注入後から下肢の完全運動麻痺に至るまでの時間を測定した.最高無痛域と局所麻酔薬注入後から完全運動麻痺に至るまでの時間はおのおの5群間に有意差を認めなかった.また各測定時間における無痛域は5群間に有意差を認めなかった.以上より等比重局所麻酔薬の注入速度は脊椎麻酔レベルに影響を与えないことが示唆された.
  • 園田 清次郎, 小川 龍
    1997 年 17 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    手術後の腎尿細管障害の指標としてβ2-microglobulin(BMG)の尿中排泄を用いることが少なくないが,これには尿細管機能以外の因子が影響しているとの見方もある.ここでは,術後早期の急性相反応はBMGの尿中排泄に影響するかどうかを調べた.開胸手術予定患者18例を対象に,BMGの尿中排泄率(FE-BMG)と急性相反応物質であるC-reactive protein(CRP)の血漿濃度を測定し,術後早期におけるFE-BMG上昇と急性相反応との関連を検討した.FE-BMGは手術終了2時間後に最も上昇し,翌朝も依然と上昇していたが,その値は有意に低下した.一方CRPは手術終了2時間値の上昇は軽度で翌朝に著しく上昇した.FE-BMGとCRPは同様の変動を示さないことから,術後早期のFE-BMGの上昇と急性相反応との関連性は否定的であった.
  • 岡田 一敏, 浅野 直子, 木村 丘, 岡田 弘, 西尾 四郎, 涌澤 玲児
    1997 年 17 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    回路内気化器を設置した通常の麻酔器を用いて10名の成人にセボフルランと酸素を使用し,6時間以上の閉鎖循環式麻酔を行なった.麻酔ガスモニターは呼吸回路内に空気が侵入しないように工夫し,セボフルランの気化器を0.5%に設定して麻酔を開始した.吸気セボフルラン濃度は14±3分で2%に達した.その直後に気化器を0.2%に,そしてその12±8分後に0.1%に設定して吸気濃度を2%に維持した.麻酔経過は円滑でSpO2はつねに97%以上を維持し,compound Aは検出されたが許容できる濃度であった.
    閉鎖循環式回路による吸入麻酔開始直後の吸気酸素濃度は94±2%であったが,1時間後には85±4%,3時間後には83±3%に減少した.この原因は体内の溶存窒素の呼吸回路内への拡散によるものと考えられた.閉鎖循環式麻酔ではMACが43%以下の麻酔薬が必要であると考えられた.
  • 西山 純一, 鈴木 利保, 滝口 守, 山本 道雄
    1997 年 17 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    ラリンゲルマスクのカフにエアーを注入したときの内頸静脈・総頸動脈の位置変化を超音波エコーにより観察し,内頸静脈の血流変化を超音波ドプラーと,内頸静脈の圧変化により検討した.カフにエアーを注入すると総頸動脈の外側偏位,内頸静脈壁の変形を認め,内頸静脈の血流に乱流を生じた.しかし,カフより頭側で測定した内頸静脈圧に変化は認めなかった.本研究の結果よりラリンゲルマスクの使用が内頸静脈や総頸動脈の狭窄や閉塞を起こす危険性は少ないと考えられた.ただし,血管の位置や形状の変化,血液の乱流を生じるため内頸静脈穿刺時や一部の血液疾患症例では注意が必要である.
  • 上村 明, 浅倉 信明, 田口 雅一, 小野 久之, 雨宮 隆太, 佐藤 重仁
    1997 年 17 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    胸部外科領域では,比較的侵襲の少ない胸腔鏡下の手術が盛んに行なわれるようになってきた.麻酔科では,胸神経レベルの帯状庖疹後神経痛や反射性交感神経性萎縮症などに対する治療として,経皮的胸部交感神経節ブロックを施行してきたが,治療効果の確実性に欠け,気胸,アルコール性神経炎などの合併症も少なくない.当病院で7例の胸腔鏡下交感神経切除術を行なったところ,5症例に関しては,満足のいく結果が得られたので各症例を提示し,治療効果や不成功例の原因などについて比較検討した.胸腔鏡下交感神経切除術は,適応症例の選択が適切であれば,ブロックの確実性において優れていると考えられる.
  • 田中 秀太郎, 松本 宜明, 鈴木 康生, 山根 健, 松本 光雄, 稲葉 繁
    1997 年 17 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    自発呼吸下における全身麻酔手術4症例に対し,ペンタゾシン(1mg/kg)を3分間かけて静脈内に投与した.麻酔中の30秒ごとの呼吸数を指標として作用部位コンパートメントを仮定し,薬物動態-薬効解析を行なった.薬物動態-薬効解析はセミパラメトリックの方法により求めた.ペンタゾシン投与後の呼吸数の最低値は,投与開始約10分後に平均10/minを示し,呼吸抑制が認められた.平均作用部位消失速度定数(0.016/min)はペンタゾシンの血中からの平均消失速度定数(0.43/min)に比べ著しく小さくなり,ペンタゾシンの作用部位からの消失は,その血中からの消失に比べ遅いことが明らかとなった.
  • 和仁 洋治, 五藤 恵次, 溝渕 知司, 平川 方久, 伊達 洋至, 清水 信義
    1997 年 17 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1997/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    びまん性肺気腫は末期に急速な呼吸機能低下を生じ,従来手術適応はないとされていたが,肺容積を20~30%除去し換気メカニクスの改善を図る両肺volume reduction手術(VRS)の有効性が報告され,われわれはVRSの麻酔をわが国で初めて経験した.麻酔はチオペンタール,フェンタニール,ベクロニウムで導入し,イソフルランと硬膜外麻酔で維持し,片肺換気を両側交互に施行した.圧外傷を避けるためcontrolled hypoventilationを施行し,全例にハイパーカプニアを認めたが,術直後に抜管し自発呼吸で管理した.術後は硬膜外麻酔による疼痛管理と積極的な肺理学療法が重要であった.
  • 1997 年 17 巻 1 号 p. e1
    発行日: 1997年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
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