日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
20 巻, 3 号
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表紙・目次
研究発表1【科学教育ICT研究】
研究発表2【新世紀型理数科系教育とICTの活用】
  • 三浦 元喜, 國藤 進
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 33-36
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    我々がこれまで開発してきたデジタルペンを利用した教室環境は生徒の意識向上につながる可能性がある一方, これまで教師が行ってきた生徒指導活動との整合性に問題を抱えていた. 本報告では, この問題を解決するため, RFID技術を利用して柔軟かつ効果的な学習支援を可能とする教室環境のデザインについて言及する. また, 学内で実施した試験運用の様子についても報告する.
  • 岩崎 信, 小山田 誠, 最上 忠雄, 長谷川 晃, 三石 大, 陳 輝
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 37-42
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    著者らは「イオン加速器」を題材としたITを活用した現地及び遠隔方式の課外授業を高校生向けに開発してきている. 本発表では, まず科学的・論理的思考および創造性を発揮することが期待されるのは, 受講直後の生徒達というよりは, 10年, 20年後の成長した彼ら, すなわち大人たちであることを指摘する. 最近の才能開花の調査研究の結果で示された3つの要素 : (1)本質的なおもしろさに触れる, (2)徹底した反復練習, (3)見通しと信念を持つ, を紹介し, 最も論理的思考や創造性が要求される将棋の世界に例を取り, 棋士が育つ過程に上記の3要素がかなり共通に含まれていることを示す. これらを基礎に, 開発授業が, これらのどの点で貢献する可能性があるかについて議論する.
  • 小山田 誠, 岩崎 信, 最上 忠雄, 長谷川 晃, 三石 大, 陳 輝
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 43-48
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    新世紀型の理数科系教育を創造するにあたり, 授業レベルのマクロ設計に関する研究が必要と思われる. 本稿では, 著者らのこれまでの実践を支えた教授設計理論とICT活用を, 「系への没入」支援という位置づけで整理することに挑み, これらが本授業を実施する上で有効な触媒として機能していることを示す. また, 実践評価面では課題が残されていることにも触れる.
  • 井上 浩義, 山岸 昌一
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 49-54
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では、社会的理解が進む一方、科学的理解が遅滞する放射線教育を支援するためのオンライン放射線教材の開発ならびにその教育実践を目的とした。研究では、小中高等学校の教科書における放射線の取扱いを調査するとともに、小中高等学校の教諭から付けたい力としての放射線に関して聴き取り調査を行い、中学生向けに「医療と放射線」、高校生向けに「原子核と放射線」と題するオンライン教材を作成した。更に、作成した教材を、学校における課程教育(以下、オンキャンパス教育)および学校外自由教育(以下、オフキャンパス教育)において活用した。オンキャンパス教育では、当該教材の英語版を用いて国内だけではなくインドにおける教育実践を行い、オフキャンパス教育では、生徒向けだけではなく、生涯学習としての放射線教育を試みるために一般市民を対象とした科学技術体験活動あるいはコラボレーション学習活動を開催し、高い教育効果を得た。
  • 稲垣 知宏, 福永 優, 藤原 隆浩, 服部 雄, 林 雅子, 中村 純, 隅谷 孝洋, 長登 康, 佐々井 祐二, 深澤 謙次
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 55-60
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    インターネット上に築かれたWeb文化は, ここ数年, 多彩な操作性とマルチメディアを取り入れる方向で大きく発展した。Webサイト構築とアプリケーション開発に用いられる環境の一部は, シミュレーションとマルチメディアを利用した教材の開発環境としても有用である。このため, Web文化の進展は, 電子教材開発に必要な情報を充実し, 教材開発負荷を大きく軽減した。本論では, 電子教材開発を, シミュレーション, 及びマルチメディアの教育利用という観点から見直し, 電子教材の持つ教育効果について議論する。さらに, Flashコンテンツの作成に利用されるActionScriptによる教材開発に必要な体制と負荷, 具体的な教材例を紹介し, 実験授業での活用例を元に実践での課題を明らかにする。
  • 飯島 康之
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 61-65
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    作図ツールGC/Javaを利用した複数の学習環境では, どのような授業が実施されるかを例示し, それぞれの特徴と相違点を明らかにした。プレゼン的な利用では, シンプルな図から生徒の多様な反応を基に, 授業を構成していく力量が教師に求められる。GC_BBSではそのような多様性を短時間の書き込み・閲覧で対処できるくらいの発問が必要となる。PukiWiki with GCでは, 一定時間をかけたレポート作成が重要になる。これらではすべてオープンな発問が重要だが, GCで5択問題では, クローズドな発問が基礎となる。
  • 鳩野 逸生, 望月 俊男, 佐々木 博史, 橘 早苗, 藤本 雅司, 神山 真一, 山本 智一
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 67-72
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは, 安価なWebカメラとパソコンを用いたビデオクリップ自動作成システムを開発し, 小学校理科の授業への実践を行ってきた. 本稿では, 実践を通して得られた本システムの効果について考察するとともに, 今後のシステム拡張について述べる。
  • 川本 佳代, 新井 紀子, 内田 智之
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 73-78
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    オンライン上でカリキュラムを越えた学びを実現してきた「e-教室」をSSH指定校に導入することにより、高度な学びを目的とするオンラインと対面式の授業とのブレンディッドラーニングを実践した。本稿はその方法と効果を明らかにしている。投稿内容、レポート、アンケートを分析した結果、主な効果として、(1)クラス全体及び個人の解答に至る過程を中心とする記述力が向上したことから高度な学びが実現し、(2)相当数の生徒の数学に対する興味が深まり、数学に対する考えがより肯定的になり、(3)通常の授業よりも「深く考えられる」「面白い」と感じたという点があげられ、「e-教室」導入の意義があったといえよう。
  • 余田 義彦, 山野井 一夫
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 79-82
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは、小中学校の科学の学習で役立つPDAベースのモバイル学習システムを開発している。このシステムは、マルチユーザ対応であること、アノテーション活動を通して観察や発想・仮説形成などを支援できること、パソコンベースのグループウェアとシームレスに連携して利用できることなどに特徴がある。小中学校の教員を対象として、本システムの授業利用の可能性を探るワークショップを行い、その後でシステムのユーザ評価を実施した。その結果、システムの実効性を高く評価し、自分の授業でも利用したいと考えている教員が多いことが確認できた。
  • 久保田 善彦, 余田 義彦, 山野井 一夫, 西川 純, 戸北 凱惟
    原稿種別: 本文
    2005 年 20 巻 3 号 p. 83-86
    発行日: 2005/11/05
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    生活科では, 科学的思考の萌芽としての「知的な気付き」が注目されている。知的な気付きの記録, 再生を支援するために, 注釈付き写真を容易に作成できるモバイル学習システムを使った。研究は, 「注釈付き写真」と「注釈なし写真」からの気付きの再生を行い, それぞれを比較した。結果, 「注釈付き写真」による気付きの再生は, 「注釈なし写真」に比べて数多く再生できる。また, 視覚以外の嗅覚や触覚に関する気付きの記録と再生を支援していることも明らかになった。注釈の特徴として, オノマトペを使った表現が挙げられた。写真からの再生には, 二次的な気付きが発生することも明らかになった。今後は, 記録・再生された「知的な気付き」が集団の中でどのようにネットワーク化されるかを考察する必要がある。
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