日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
21 巻, 6 号
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表紙・目次
テーマ研究発表
一般研究発表
  • 金田 和豊
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 47-50
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では,これまで筆者が扱ってきた三角形の諸心に関連した軌跡の探究活動について述べる。三角形ABCのある共点性を持った点に注目して,ある条件の下で三角形を変形したところ,どのような数学的に興味深い軌跡が見えてきたかについて述べる。注目すべきは,軌跡を単なる「点が通った跡」と考えるのではなく「与えられた条件を満たす点の集合」とすることで,内心や重心のような諸心は,ある条件の下に見出された諸心の特殊な場合ととらえられるということである。また,発見した軌跡がどのような概形になるかを判断する上で探究の中で発見したある命題に対して'どれほど妥当性のある実験ができるか'ということに関して,その1つの方法を紹介する。
  • 渡部 清, 和田 剛樹, 吉本 直樹, 飯島 康之
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 51-54
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    インターネットが一般化した現代,学校にもその環境が整備され、教育にとってインターネットはより身近な存在となった。普通教室で扱える個人携帯用端末として,ニンテンドーDS(以後DS)に目をつけた。DSの利点としてwebブラウザを用いてwebページを閲覧することができる機能性,タッチペンを用いた操作性のよさなどが挙げられる。数学教育にDSを用いることの可能性を,webコンテンツの開発と実際の授業実践を通し考察した。
  • 石川 理雄
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 55-58
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    太陽光を一点に集光する反射鏡やパラボラアンテナは,放物線を軸のまわりに回転させて得られる曲面である.この放物線を二次曲線としてではなく, 2次関数のグラフとして捉え,グラフ電卓voyage200を活用した授業「太陽光を集めよう」を一年生3クラスで行った.グラフ電卓を活用して「実験」しながら探究することが,生徒の学びを主体的にするかを考察した.グラフ電卓はTexas Instruments社製で,グラフの描画,文字式の計算,微分積分の計算,図形作成など,数学のソフトが入った手のひらサイズのコンピュータである.
  • 伊藤 伸也
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 59-64
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究の目的は、フロイデンタールが数学の教授学習において「数学化」を重視した背景を明らかにすることである。そのために、数学の教授学習の文脈で彼が用いた「数学化」の意味を確認した上で、当時の数学教授に対する問題意識、数学教育観、科学や生活における「経験の組織化」の必要性についての認識という3つの観点から彼の主張を整理した。その結果、次の3つの背景が確認された。第1に、当時の数学教授が一般に「反教授学的逆転」の状態にあり、"New Math Movement"の主な関心が大学に接続する学校類型の純粋数学的側面に向けられていたこと。第2に、より高い水準上で数学的経験を意識的に組織化し続ける一連の「数学化」を数学者の活動と捉え、学習者には数学の発展過程にみられる数学者の「数学化」を学ぶ権利があるとする数学教育観。第3に、科学において「経験の組織化」が繰り返しなされ、生活においても「局所的組織化」が求められるとする彼の認識。
  • 久保田 英慈
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 65-70
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    授業において電子黒板の使用が注目されている。教室内でマルチメディア教材を自由に使える電子黒板は大変魅力的であるが、設置や使い勝手、とくに従来から教室内にある黒板との整合性に多くの問題があり、導入が十分なされていない。本研究では、通常の教室においてマルチメディア教材を授業内で有効に活用する手段、授業設計を計画し、実践した。さらに、従来の黒板と融合させた授業を行い、中学校1〜3年の理科授業、1時間1時間における板書、黒板に提示された画像、および画像に書き込んだ説明をデジタルカメラで記録した。その記録を毎回の授業後、ブログにアップした。このシステムにより、授業の復習を生徒が自宅で自由に行ったり、休んだ生徒が授業の様子を知ったりすることのできるシステムの構築をすることができた。このシステムはさらに、教師の授業設計に大きく役に立った。
  • 渡辺 勇三
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 71-74
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    地域の総合学習施設の日常の活動を調べた。所謂、理系の学習活動が驚くほど少ない事が判明した。表記のような理科系の学習クラブを地域学習施設が中心になって設立することを提案する。仮称「理科っ子地元ゼミナール」略して「理ゼミ」は地域の学習施設の教室や会議室を利用して実施する。地元の小学生を募集して、月に一度、1〜2時間の科学的な実験や工作などを行ないながら基礎的な学習を進める。本稿では学習計画を数例掲げて検討を試み、将来を展望する。
  • 内ノ倉 真吾
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 75-80
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    生徒は,メタファーの対応関係を理解できたとしても,メタファー的な説明の様式から因果的な説明の様式へと容易に移行できるのではなく,水の融解における温度変化を因果的に説明できなかった.このとき,生徒は,メタファー的な説明と因果的な説明が異なる説明様式であることに少なくとも気付くのだが,この二つの様式を移行する具体的なストラテジーをもたず,メタファーにより実感をもって理解できたものの,これを活かして自分の考えを変えることはできなかった.メタファー的な説明と科学的・因果的な説明の様式の相補的な関係,二つの様式がそれぞれ真実性と真理性を追求しているという差異を認められないとき,生徒は,性質の異なる二つの様式により状態変化が説明されることに葛藤を経験する場合もあった.
  • 鈴木 貴晴, 熊野 善介, 藤原 聡
    原稿種別: 本文
    2007 年 21 巻 6 号 p. 81-86
    発行日: 2007/06/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    静岡市の東新田地区と静岡大学教育学部熊の研究室は3年間、環境教育を推進する連携プロジェクトを推進してきた。この一環で、最近利用者が増加している自動食器洗い機の洗剤に着目し,洗剤を天然の重曹のみを利用することによって、環境負荷を最小限にとどめる工夫が必要であると考えた。本研究では、洗浄実験、東新田の方々にモニターになっていただき質的なデータを収集し、重曹が自動食器洗い機用洗剤として十分に使用することができることを見出した。さらにこれらのデータから本研究内容を学校教育における環境教育や地域での環境教育のコンテンツとして利用する方略についても考えた。
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