平成29年3月に小・中学校,平成30年3月に高等学校の新学習指導要領が告示され,その中で,「主体的・対話的で深い学び」が重要視されている.また,中学校数学科の目標としての具体的方策の一つとして数学的活動の重要性を述べている.
これまで,正比例の授業においては,数学的活動を実践するための様々な題材が用意されてきたが,反比例の授業においては,適切な題材が少ない.その理由として,正比例に比べて身近で具体的な題材が少ないこと,数学的に扱いづらいこと等が考えられる.そのため,反比例の指導が形式的に終始し生徒にとって興味深いものになりにくい現状がある.
本研究においては,ICT機器を用いて,哺乳類の寿命と心拍数に反比例の関係があることを生徒が視覚的,直感的に捉えられる教材を開発し,新たな授業を提案,実践した.
本研究における授業実践の成果として,ICT機器の導入により数学的処理に掛かる時間を短縮することにより生み出された時間を使って,「人間の寿命が延びた」社会的理由を考察することを数学の授業にて行うことができた.
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