日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
7 巻, 5 号
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表紙・目次
〔一般研究発表〕
  • 田島 康匡, 小林 重之, 大下 真二郎
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 1-6
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    障害者が、社会自立等のために電話によるコミュニケーションが必要なときに、正確に電話をかけたり、会話訓練ができることを目的として、より細かいステップで多様な学習が可能な電話練習・会話訓練システムを試作した。本研究では、その概要と精神薄弱養護学校での指導事例を報告する。
  • 東原 文子, 前川 久男, 東原 義訓, 中村 紀子, 溝上 美明, 古田 聖
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 7-12
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    知能障害児教育における数量教育では, 数字や数詞を用いる前の, 分類・対応等の基礎段階の学習が必要と言われている。また, 具体物を並べるなどの操作を通して学習することが重要である。本研究では, 知能障害児を対象とした数量の基礎学習のためのCAIコースウェアの設計と利用の方法について留意すべき点を明らかにすることを目的として行なった。「1対1対応による多少比較」課題を3つのステップに分け, それぞれについてコースウェアを開発し, 3名の知能障害児に試行した。その結果, 各学習者のぺースで学習が進んだ様子が示された。個に応じた指導を組み立てるためには, 目的が単一の小さいコースウェアを系統的に組み合わせていくことが有効であると考えられる。利用に際しては, コンビュータ上での課題の正答率の変化に加えて, コンピュータを離れた場面においても学習成果が見られるかを併せて調べる必要がある。
  • 中谷 清茂, 平井 安久
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 13-18
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは本研究において、格子多角形の求積法に関する新しい定理を提起する。これまで、格子多角形の求積法と言えば、ピックの定理が広く知られている。これは、面積が「点」の数によって求められるという驚きにも似た感動を覚える教材と言える。しかし、その発見や特に証明は複雑な式を扱い、中学生では大変難しいということも事実である。また定理自身も穴の空いた多角形に対して、そのままでは適用できない限界がある。そこで、本稿では本定理の良さ「穴の空いた多角形に対しても同じ公式で求められること、また指導法で、推測→反例による論駁→反例を乗り越える拡張概念→証明というように、数学が生成するプロセスを踏ませることができる」を引き出そうとした。この新定理を『課題学習』の一教材として提示する。
  • 竹内 敬一
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 19-24
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本調査では, 電流回路学習前と学習後の中学生に, 電荷の担い手に高速を認める携帯電流の概念と, 定電流源の概念が見られた. 更に電流の強さ・電圧の大きさの原因を推理するときに電流の向き (+から-)の知識が用いられる場合があることが示された. 従来の指導について, 生徒に伝導電子の平均の移動速度と電圧の大きさ (電場の強さ) の関係をいかに示していくか, 実験での乾電池の使用, 通常実験等で使用する電源の働きをどのように理解させるかについて, 議論する余地があると思われる. また電流の向きが条件的に設定されているものであり, 電流の強さ・電圧の大きさに関わらないことを理解させる手立てが必要であると思われる.
  • 橋渡 勝也
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 25-28
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中学校理科で使用できる環境教育プログラムを開発し、実証授業を行った。その結果、環境教育は、(1) 地域に素材を求めて、足元の環境に目を向けさせるような教材開発を行うことが重要であること。(2) 2〜3時間を単位としたモジュール形式のプログラムを、関連単元に位置付けることが、無理がなく効果的であること。(3) 探究的な追究過程を通して、体験的学習をさせることによって、実感をもった理解ができ、自然の中での自分の在り方を問い直していこうとする意欲が高まること、が明らかになった。今後、更に複数のプログラムを開発し、他教科との関連を図り、他校とも連携しながら実践を積み上げていくことが大切である。
  • 荻原 彰
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 29-34
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    BSCSでは遣伝子工学のもたらしている倫理的な問題に焦点をあてた Advances in Genetic Technology という教材を開発しており、それは日本の理科教育において同種の問題を扱う際に示唆を与えてくれると思われる。本論文はその教材の一部である「ケーススタディ: 人の遺伝子治療」の長野県須坂高校での試行結果を取り上げている。
  • 田畑 和秀
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 35-38
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小学校5年の「物の運動」における内容の考察を行い、「速さ」は斜面を降下する球の高さによって決まって来ることを知らせるため、同じ高さなら斜面の傾斜や長さに関係無く同じ地点に落ちる教具を考えた。小学生には難しいと一般にいわれているが、教具の工夫によって、また筆者の経験から5年生の児童の実態に照らしても、分かり易く学習できると予想できた。さらに、裏付けになる実験データからそれらの教具の限界に触れ、5年生の理解の範囲で適応できるような工夫を試みた。
  • 長谷川 康雄
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 39-44
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では, まず生活科や小学校中学年理科, 環境教育で取り上げられている「身近な自然」について, 洋芝型人工草地を例として, 動植物相の生態系の特性を明らかにした。次いで, この草地での実験授業の結果にもとづいて, 授業者としての教師には, 自然の印象を自己の肉体に刻みつけ, 感性を磨くための日頃の実践がなければならず, そのためには, 先行経験に新たな経験を重ねるといった過程で, 対象の限定要因を特定することができる能力を獲得するための訓練を欠くことがあってはならないことについて言及した。こうした教師の姿勢が, 学習者としての子どもの自然に関する認識能力を養うことになることを示唆した。
  • 西川 純
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 45-48
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では、3年次小学校教育実習の終了後に自由記述形式の調査を行った。調査内容は第一調査では教育実習全般に関して自由記述を行わせた。第二調査では、自分の授業で重視した点、担当教師が重視した点を自由記述をさせた。その結果、以下の3点が明らかにされた。1. 教育実習に関してはおおむね好意的に評価されている。しかし、教材、指導法に関しては力不足を感じている。2. 児童の把握に関しては、自身は児童の実態を分析的に理解しようとしていると考えている。一方、担当教師からは、その上で児童の側にたった指導をする事を求められていると考えている。3. 授業に関しては、1時間話す内容を考えることを重視していると自己評価している。一方、担当教師からは、その中での細かな配慮をする事を求められていると考えている。
  • 戸北 凱惟
    原稿種別: 本文
    1993 年 7 巻 5 号 p. 49-54
    発行日: 1993/03/27
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では、一連の継続した教育実習を経験する中で実習生はどのように教育実践能力が形成されていくか、実習後の学生にたいして自己点検させることから明らかにしようとしたものである。授業ビデオ視聴と事例調査から実習生の自己評価能力の状況について以下の点から報告する。1 実習生の典型的な失敗授業は初心者の授業研究サンプルとして活用でき、ほとんどの実習生がその授業の失敗点についての指摘は十分にできる。2 実習生のできる授業評価はせいぜい表面的なものである。3 教育実習の段階を追って授業実践能力は向上させることができる。
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