日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
19 巻, 6 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
表紙・目次
一般研究発表
  • 中村 文成, 藤岡 達也
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 1-4
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中学校での理科と技術および社会との関連性を概観し, 近年の高校入試における新しい傾向や「総合的な学習の時間」との関連からSTS教育の重要性を明らかにした。また中学校において理科と「総合的な学習の時間」を結びつけて地域素材を活かしたSTS教育を行うために, 災害とエネルギーを中心とした展開例を示した。
  • 志 栄, 藤岡 達也
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 5-9
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    内モンゴルにおいて, 砂塵暴を含めた環境問題を解決する糸口として学校教育で環境教育を実現していくために, 生徒の正確な環境意識を育て, 生徒自らが環境改善に取り組む教育方法を検討した。まず, 内モンゴルの生徒はどのような環境意識を持っているかを把握し, 日本の生徒と比較するために, 直方市で行なわれたのと同じ質問のアンケート調査を実施し, 検討した。また, 内モンゴルの湖のパックテスト調査や大気汚染調査を行った。これらを基に小中学生が活動できる環境教育カリキュラムを作成し, 内モンゴルの初等, 中等学校での一層の環境教育の広がりや実現を訴え, 環境問題を改善するためにはそこに暮らす全員の力と国際社会に一層の理解と協力が欠かせないことを求めた。
  • 出口 明子, 稲垣 成哲, 舟生 日出男, 山口 悦司
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 11-16
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは, 再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアの開発と機能拡張に取り組んできている.本研究では, ソフトウェアに「リンキングワードの位置調節機能」と「絵・写真ラベルのサイズ設定機能」を新たに実装し, それらの機能について, 教師を対象とした評価を実施した.その結果, 2つの機能の操作性は肯定的に評価された.各機能の有効性についても, 教師の学習指導や子どもたちの学習を支援できるものとして評価されたことがわかった.
  • 田川 健太, 西山 保子
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 17-20
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    理科と数学は密接な関係にあり, 理科の授業で数学的知識が必要となることもある。理科教師の数学的内容に関する意識を明らかにするために, 東京都立高等学校に勤務するの理科教師を対象に質問紙調査を行った。その結果, 有効数字と誤差は積極的な指導が行われているが, 指導したくても指導できない状態の教師も相当数存在することが明らかになった。また科目により指数, 対数, ベクトルについても積極的指導がなされていることも明らかになった。
  • 渡辺 勇三
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 21-22
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近時、小中学生の基礎学力の低下が話題になっている。家庭こそ理科教育の原点であると云う視点からお茶の間に於ける宇宙教育について考察を試みる。ここで言う宇宙教育とは、所謂、宇宙空間の無重力の世界と真空の世界、及び、地上の重力のある世界と大気のある世界、並びに、中間的な重力の異なる世界と大気の希薄な世界に関わる全ての学習を言う。科学教室などで体験学習が流行っている。ここでは自宅の日頃の生活において五感で感じる感触と直結した学習を提言したい。肌で捉えた実感から連鎖的に展開される「ものの道理」を学ぶ理科を提唱する。一例を掲げる。幼い頃に鉄棒の逆上がりで自らのケツの重さを体感するが、あの時の感覚を呼び起こしながら、重力の科学を順序立てて勉強する。
  • 福岡 辰彦, 藤岡 達也
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 23-27
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    戦後の日本において, <学校外の科学教室・講座を中心とした科学教育>は科学館・博物館教育で始まった。その数は, 1980年後半から増えはじめ, 特に1990年代の後半には急激に増えていった。これは, 科学教室・講座が科学館・博物館だけでなく, 大学などの学校, 自治体の生涯学習センター, そして子供会のような様々な場で行われるようになったからである。このような様々な場で行われるようになったのは, <科学教育の新興の機運, 理科離れ, 学校五日制などの社会状況から, 国・自治体などによる「財源」の確保>と<経験を積んだ科学教室・講座の「講師」の増加>という, 二つの大きな要因が考えられる
  • 牧野 智彦
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 29-34
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は, 中学校第2学年の生徒による証明の記述に関する実態の一端を明らかにすることが目的である。Sharon Senkによって設定されている基準を用いて, 中学2年生による証明の記述を分類し, その中から特徴的な回答をしている生徒を抽出し, 彼らの証明の記述からその実態を探った。結果, 証明を記述していないため一見証明ができないと判断される生徒でも, 証明の構想はできている場合があることと, 逆に, 記述自体は証明の形式に則っており証明を構成できていると判断される生徒でも実は証明の構想が不十分であり, 証明の形式にとらわれている場合があることが明らかになった。
  • 中村 俊紀, 山崎 章弘, 柳沢 幸雄
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 35-38
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    環境教育の効果的なアプローチのため, そのバックグラウンドとなる環境学に対して新規な体系化手法を提案し, その妥当性について検討した。体系化は, 現在の環境用語を環境学構成する情報であると見做し, 各用語の類似性をクラスタ分析によって統合化, 系統別に分類することによって得られる。得られたクラスタの傾向から全体の傾向, 即ち環境情報はどういう分野で形成されているかが判別できることになり, 環境学全体のバウンダリを構築することが可能となった。また, 環境学の本質である超領域的アプローチの概念を有するLuhmannの教育システム論の観点から, 本手法の妥当性を半定量的に検討した。その結果, システム上本手法は教育に提要可能であることが示された。
  • 戸田 智, 藤岡 達也
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 39-42
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では, 地域を主題とした環境学習を展開する場合の事例として新潟県津南町を取り上げた。まず, どのような本地域の自然・社会・文化等の特色を活かした教育活動ができるかについて考察した。さらに, 津南町を素材として環境学習を行う場合, パートナーシップを用いたより効果的な学習活動の方法について検討し, それをもとに児童・生徒にどのような力の育成が期待できるかを考察した。また, 当該地域を素材として環境学習を行う際に, 教員がどのような点に留意して地域との連携や児童・生徒への指導や評価を行うことが望ましいかについて検討を行った。
  • 石田 浩久, 藤岡 達也
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 43-48
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    平成16年度に生じた中越地震では, 土砂崩れや地すべりや天然ダムの決壊等の土砂災害が甚大であった。同様の地質, 地形を有する東頸城の中山間地においても危険が予想される。実際, 数年ぶりの大雪となった今年は, 雪解けとともに各地で土砂災害が発生している。そこで, 小学校の「総合的な学習の時間」に土砂災害を取り上げることで, 児童の地域の自然の特色や災害に関する正しい知識や理解を深めるとともに防災意識や行動力が高められるようにする。本稿では, そのための授業展開の観点や概要を示すものである。
  • 安藤 喜代美
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 49-56
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本報告は、2003年度から実施されている名城大学人間学部の短期海外研修を一つのケースとして、その効果を客観的に評価することで、今日、多くの大学で実施されている海外研修の一層の充実・発展に寄与しようとする試みの一環である。本研究会における先の報告では、研修を挟んだTOEICスコアおよび研修先機関の成績評価に依拠して、海外研修がもたらした実際の効果を検討した。今回の報告では、海外研修に参加した学生を対象に行ったアンケート調査の結果を分析し、大学教育における海外研修の有効性や今後の課題を明らかにする。
  • 岸本 忠之
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 57-62
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿の目的は, 正負の数に関する単元の指導前後において, 正負の数の演算と「数直線モデル」または「具体モデル」との関係づけについて, 生徒の理解がどのように変化するのかを明らかにすることである。そのため中学校1年の生徒59人に対して, 正負の数の指導の前後に質問紙調査を行った。その結果, 演算のマイナスや数量のマイナスという概念的な理解以外にも, 演算とモデルとの関係づけのルールによる誤りも確認された。例えばある生徒は「始点は被加数である」という加法ルールを乗法にも適用していた。
  • 吉村 忠与志
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 63-66
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    高等教育機関では, JABEE認定教育プログラムへの教育改善が進み, その中で, 地球環境の保全と科学技術をつかさどる技術者倫理を取り入れた人材育成の課題が重要となっている。福井高専では, 学習・教育目標Aに「地球的視点の技術者倫理を意識した, ものづくり・環境づくり, システムデザイン能力の育成」という項目を挙げて, 地球的視点からの科学技術における人材育成を実践している。そこで, 筆者は, 「技術者倫理」と「地球環境」という2つのキー科目を担当し, 科学技術者育成の課題に取り組んでいる。自作の教科書を用いて教授する傍ら, その課題解決と展望を論じる。
  • 隅田 学, 平田 真麻
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 67-70
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では, TIMSS記述形式問題の中から, 「ロウソクの消える理由」問題, 「山の頂上の雪」問題, 「心拍数の変化」問題を取りあげ, 「科学用語の使用」, 「説明の因果性」, 「説明の具体性」に関する独自の分類観点を開発し, 日本の小中学生の記述解答を分析した。その結果, 日本の小中学生は, 理科授業を通して科学用語の使用は熟達するが, 事象を因果的に説明したり, 具体的に計画を表現したりすることが苦手であることがわかった。
  • 稲垣 成哲, 舟生 日出男, 山口 悦司, 出口 明子
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 71-76
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは, 再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアの開発と普及に取り組んできている.本研究では, その普及の促進にかかわる課題について検討するために, 1998年12月から2005年3月までの本ソフトウェアの開発と普及の経緯を反省的に考察した.その結果, 本ソフトウェアの学習コミュニティは, 7層から構成されており, 現在の普及には, 開発コアグループと部分的に連携しながらも, 相対的に外側に位置する第4層グループ(自律的授業実践普及グループ)の出現が重要であることがわかった.
  • 角谷 詩織
    原稿種別: 本文
    2005 年 19 巻 6 号 p. 77-81
    発行日: 2005/05/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究の目的は, 小学5年生から中学3年生までの理科に対する意識(好き嫌い)を捉え, その理由の構造を見出すことである。首都圏および地方の小・中学生4127名(2002年7月)を調査対象とした。小・中学生とも, 理科の好きな子どもが多かった。理科の好きな理由には4因子(discovery & willingness, usefulness, liking experiments, easiness)が, 嫌いな理由には3因子(uselessness, disliking activity, dissatisfaction & unwillingness)が得られた。学年があがるにつれ, 理科の学習において, 活動の楽しさから, 新しい発見の有無へ注目するようになることが推測された。
シンポジウム「科学教育人材育成の課題」
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