Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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59 巻, 2 号
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展望
論文
  • 板垣 昌幸, 芦江 伸之, 本田 英靖, 萩原 光一, 上坂 美治, 木皿儀 隆康
    2010 年 59 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 2010/02/15
    公開日: 2010/07/22
    ジャーナル フリー
    チャンネルフロー電極法を用いて,黄銅,耐脱亜鉛腐食黄銅,青銅の分極曲線を測定し,耐脱亜鉛腐食黄銅の電気化学挙動を調べた.チャンネルフロー電極法では,銅合金から溶解するCu(I)イオンとCu(II)イオンを分極曲線の測定と同時に定量できる.重炭酸イオンと塩化物イオンを含む溶液中における黄銅のアノード分極曲線は,約0 V vs. SSEより卑な電位での亜鉛の選択溶解域(領域 I)と,約0 V vs. SSEより貴な電位での亜鉛と銅の同時溶解域(領域 II)に分けられる.JBMA T303テストで第1種にランキングされる脱亜鉛腐食感受性の小さい耐脱亜鉛腐食黄銅では,領域 Iの電流値が小さく,領域 IIにおける亜鉛溶解の比率が小さいことがわかった.一方,12か月に及ぶ黄銅,耐脱亜鉛腐食黄銅,青銅の淡水通水試験の結果,黄銅は脱亜鉛腐食を起こす場合にも,第1種の耐脱亜鉛腐食黄銅は脱亜鉛腐食を起こさず,全面腐食となる傾向が大きい.また,耐脱亜鉛腐食黄銅の浸漬電位はSUS316のものに近いので,通水しながらの短絡試験においてもガルバニック腐食は見られなかった.
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