Zairyo-to-Kankyo
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60 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
展望
解説特集
  • 西村 六郎
    2011 年 60 巻 4 号 p. 176
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2011/10/08
    ジャーナル フリー
  • 西村 六郎
    2011 年 60 巻 4 号 p. 177-183
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2011/10/08
    ジャーナル フリー
    本論文はすでに報告された自然浸漬下,定荷重法で得られた結果に基づいて,オーステナイトステンレス鋼と純チタンの水素脆性感受性評価と機構に関する新たな観点を述べる.さらに,材料の破壊がSCCで起こるのかあるいはHEで起こるのかを判定する定荷重法の基準についても述べる.
  • 秋山 英二
    2011 年 60 巻 4 号 p. 184-189
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2011/10/08
    ジャーナル フリー
    水素チャージした高強度鋼の環状切欠き丸棒試験片の切欠き引張強度(NTS)をSSRTにより測定し,NTSと水素濃度の関係がべき乗則で示されることを見いだした.大気腐食した試験片の定荷重試験による遅れ破壊発生は,遅れ破壊発生限界拡散性水素濃度(HC)と環境からの侵入水素濃度(HE)のバランスと対応することから,実際の高力ボルトでもHEHCを上回った場合に遅れ破壊が起きていると考えられる.大気腐食後のSSRTによって,大気腐食による水素侵入を考慮した高強度鋼の遅れ破壊特性を評価することができた.水素トラップを含む超高強度鋼は比較的高いHCを示すが,水素トラップはHEも増加させるため,その耐遅れ破壊特性の改善に及ぼす効果は見られなかった.サイクル腐食試験中の水素侵入を電気化学的水素透過試験によりモニターしたところ,水素侵入の経時変化に増加傾向が見られた.これはさび内層のpHや電位の変化によるものと考えられる.遅れ破壊の「遅れ」の原因は水素侵入効率の上昇に要する時間にあることが示唆された.
  • 大村 朋彦, 小林 憲司
    2011 年 60 巻 4 号 p. 190-195
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2011/10/08
    ジャーナル フリー
    高強度低合金油井管ならびにラインパイプの水素脆化現象および近年の開発状況を概説した.
    油井環境では硫化物応力割れ(Sulfide Stress Cracking, SSC)が硫化水素含有(サワー)環境からの水素吸収と引張負荷応力の元で発生し,このSSCが高強度油井管にとっては主要な問題となる.高強度油井管の耐SSC性の改善のため,様々な冶金的改善が取り組まれてきた.1990年代には110 ksi(降伏強さ758 MPa) 級の耐サワー油井管が結晶粒微細化とP, S, Mnなどの偏析元素の低減により開発されている.2000年代には,介在物の微細化,転位密度の低減,炭化物の形態制御により125 ksi(降伏強さ862 MPa)級の高強度耐サワー油井管も開発されている.水素誘起割れ(Hydrogen Induced Cracking, HIC)は低強度鋼と高強度鋼いずれにも負荷応力無しで起こり,ラインパイプにとって主要な問題となる.HICは伸延されたMnSなどの硫化物や板厚中央部の偏析硬化帯に沿って発生・進展する.65 ksi(降伏強さ448 MPa) 級の耐サワーラインパイプが介在物球状化ならびに加工熱処理(Thermo-Mechanical Controlled Process, TMCP)により広く商用化されている.さらに近年ではこれらの技術の進展により70 ksi(降伏強さ483 MPa)級の耐サワーラインパイプが開発されている.
論文
  • Shuji Hashizume, Toshiya Nakayama, Masatoshi Sakairi, Koji Fushimi
    2011 年 60 巻 4 号 p. 196-201
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2011/10/08
    ジャーナル フリー
    最近,実験室や実機の高温酸性環境中で,低炭素の13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼溶接継ぎ手に割れが生じたことが報告されている.これらは溶接金属と熱影響部の境界近傍で発生しており,本報ではこの応力腐食割れメカニズム,特に発生過程について議論する.溶液フロー型微小液滴セルを用いた電気化学的測定では溶接後熱処理の実施により,電位の貴化と安定性が確認された.また,熱影響部では溶接皮膜の下部にCr欠乏層が確認され,溶接後熱処理により消失した.このCr欠乏層の存在が応力腐食割れの発生の原因と考える.
  • 水野 大輔, 星野 克弥, 大塚 真司, 藤田 栄
    2011 年 60 巻 4 号 p. 202-208
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2011/10/08
    ジャーナル フリー
    自動車用防錆鋼板の耐食性評価には様々な腐食試験法が用いられている.本研究では,各種腐食試験法による表面処理鋼板の穴あき腐食挙動を北米走行車における腐食挙動と比較した.腐食試験の結果から,亜鉛めっき鋼板の穴あき腐食挙動や耐食性支配因子が,試験条件によって異なることが分かった. 腐食試験法の実車腐食再現性を評価するために,本研究では,亜鉛めっき鋼板の穴あき腐食過程における下地鋼とZnめっきの腐食速度比に着目し,穴あき腐食指標PCI(Perforation Corrosion Index)を考案した.PCIを用いて腐食試験法と実車腐食との相関性を評価することやZn系合金めっき鋼板の実車における穴あき耐食性を予測することができる.また,実車における腐食機構を再現するためには,自動車の生産工程に合わせて試験片を作製することも重要となる.本技術の適用により,表面処理鋼板を適正且つ効率的に開発できることが期待できる.
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