乾湿繰り返し環境において,鉄(Fe),亜鉛(Zn),アルミニウム(Al)の3種類の金属を組み合わせた時のガルバニック腐食をモニタリングするため,3つの渦巻形状の電極からなるICMセンサを用いた.Feに対してZnは犠牲防食として必ずアノード溶解していた.NaClの場合,AlはZnより卑であったが,人工海塩ではZnより貴になりFeの犠牲防食にはほとんど寄与しなかった.Alの溶解電流は,浸漬よりも乾湿繰り返しの方が大きかった.
現在,日本ではアンモニアの燃料利用が期待されているが,燃料としての安定供給に必要な大型低温貯蔵タンクでは応力腐食割れ(SCC)が問題となりうる.高強度かつ耐SCC性を有する材料を探索するため,低温液体アンモニア中で試験可能なSCC試験装置を作製し,炭素鋼のSCC発生を短期間で再現する試験法を開発した.さらに,候補材料としてステンレス鋼であるSUS304,SUS821L1にも着目し,開発した試験法を用いてSCC感受性を調査した.