Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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70 巻, 1 号
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展望
解説
  • 現状とこれからに向けて
    若井 暁
    2021 年 70 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    微生物が金属腐食現象に関わることは古くから微生物腐食として知られているが,未だにその認知度と理解度は低い.微生物腐食現象を理解する上で,その原因となっている微生物について正しい知識を持っておくことも必要である.本稿では,微生物研究者の視点から微生物について詳しく解説すると共に,実際の微生物腐食研究の中で直面した問題点などを整理した上で,今後どのような研究や対策がされていくべきなのかを解説する.

論文
  • 多田 英司, 前田 初美, 大井 梓, 西方 篤
    2021 年 70 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    本研究では,鋼板合わせ部における腐食劣化モデル構築を目的に,すきま構造部における鋼板の腐食挙動をNaCl水溶液中における浸漬試験により調査した.すきま構造は,鋼板上にすきま形成材を配置することで構築した.すきま形成材の半径と鋼板との距離を変化させた.浸漬試験の結果,鋼板の腐食形態および腐食減量はすきま形状に依存した.一方,腐食電位は,すきま形状にわずかに依存し,溶存酸素の拡散限界電流域にあった.これらの結果から,鋼板の腐食は,すきま内外において酸素濃淡電池が形成することで,すきま内の鋼板上がアノード,すきま外の鋼板がカソードとなるにより進行することが示された.さらに,すきま部における溶存酸素濃度のFEM解析によって評価した腐食減量が,本研究で得られた傾向と一致することが示された.

  • 山本 俊佑, 安藤 聡
    2021 年 70 巻 1 号 p. 18-27
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    本研究では,「外観腐食」の大気腐食環境下での腐食機構を明らかにする目的で,暴露試験による初期の塗膜下腐食のその場観察を実施した.本報で得られた結果と既報の腐食促進試験環境下で得られた結果を対比した結果,「カット傷部の黒錆化」が生じ,その後に「カット傷部からの塗膜下腐食の発生と進展」が生じる過程,また,その後の「塗膜下腐食の先端部での膨れ」,の3つの現象が実環境下でも同様に確認された.

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