Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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ISSN-L : 0917-0480
61 巻, 1 号
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展望
論文
  • 多田 英司, 仙葉 聡
    2012 年 61 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,MgCl2水溶液中における鋭敏化304ステンレス鋼の局部腐食発生および腐食ピットからき裂への形態変化におよぼす応力の影響が調査された.予ひずみを印加した試験片のアノード分極曲線測定,電位および無負荷-負荷試験片の短絡電流ノイズ測定を行った.アノード分極曲線の結果から予ひずみを与えた試料で局部腐食発生が促進されることが明らかになった.また,電位ノイズおよび短絡電流ノイズの測定から,2 M MgCl2溶液中においては,局部腐食の発生は,応力の印加された試験片上で促進されることが示された.さらに,成長性の局部腐食が生じている状況で,応力が印加されると,局部腐食の形態がピット状からき裂状の溶解痕に変化することが示された.
  • 加藤 千明, 石島 暖大, 山本 正弘
    2012 年 61 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    核燃料再処理プロセスのうち,燃料溶解槽条件におけるジルコニウムの応力腐食割れ(SCC)感受性を検討した.使用済み核燃料溶解液を模擬したコールド模擬液を用いて,高電位条件ならびに沸騰伝熱条件における定荷重試験を行った.ジルコニウムのSCCは電位依存性が極めて強く,1.55 V(vs.SSE)で破断時間が著しく低下した.この電位条件ではファセット状のへき開状破面が全面に観察された.1.50 V以下の電位条件では,擬へき開状の破面が試験片表面近傍のみに発生したが,著しい破断時間の低下は生じなかった.沸騰伝熱条件においては,破断時間の低下が生じた.しかし,その破断時間の低下は,伝熱による温度上昇を考慮したオイル中の破断時間とほぼ同じであった.二次/三次クリープの遷移時間(tss)/破断時間(tf)比を用いたSCC感受性指標から沸騰コールド模擬液中のジルコニウムのSCC感受性は,1.55 Vで非常に大きいが,沸騰伝熱条件にてSCC感受性が高まることはなかった.コールド溶解槽模擬液中におけるジルコニウムのSCC挙動は,主にジルコニウムのクリープ特性に依存した.
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