宇宙の中でおきる現象の中で, 現象そのものははっきりしていて, その解釈にこまる未知のものがいくつかある. ここに述べる宇宙ガンマ線バースト現象もその一つである. 宇宙ガンマ線バーストとは宇宙空間の彼方から数秒から数十秒間にわたって, 多量にガンマ線が入射する現象であり, この現象を最初に観測したのは原爆探査衛星ベラで1973年のことであった. 発見以来10数年を経てガンマ線バースト観測を目的とした衛星が打上げられ, 詳しい観測が行われはじめた所である. 観測データが増えるに従って, その発生機構は当初考えていたような単純なものでないことが明らかになってきた. ここでは, この現象の特性について述べるとともに, この現象の素顔を知るために, 何をなすべきかを紹介する.
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