21世紀が重力波天文学の時代になることは間違いないだろう. アメリカ, ヨーロッパ, そして日本で大型レーザー干渉計を用いた重力波検出器が建設中であり, 数年のうちには少なくとも5台の検出器が, かつてない検出感度で本格的な稼動を始める. 2010年頃には, 宇宙空間で複数の人工衛星を利用した重力波観測も始まるだろう. これにより, 宇宙に関するこれまでとは全く異質の情報を, われわれは手に入れることができると期待している. ここでは, まず予想される重力波源について述べ, これまでの観測による上限を明らかにする. 次に, 本稿の中心テーマである, 日本で進行中のTAMAプロジェクトについて, その概略と現状を紹介する. 最後に重力波研究の今後の展望について述べる.
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