日本物理学会誌
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69 巻, 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2014 年 69 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 兵頭 俊夫
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 69-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2014 年 69 巻 2 号 p. Toc1-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 高柳 匡
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 72-73
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 鎌野 寛之, 中村 聡, 松山 晶彦, 佐藤 透
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 74-82
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
    原子核を構成する核子(陽子,中性子)や核力を担うπ中間子は,ハドロンと呼ばれる複合粒子の一種である.核子やπ中間子以外にも,内部自由度の励起モードや構成要素であるクォークの種類(フレーバー)に対応して多数のハドロンが存在する.これまでに,約300種類のハドロンが,加速器を用いたハドロン反応実験を通じて確認されている.最近では,電子・光子ビームをプローブとする中間子生成反応実験の進展にともない,従来のハドロンの質量スペクトルから,電磁形状因子などハドロン励起状態のクォーク・グルーオンサブ構造に迫る研究へと進みつつある.今日,この研究分野はハドロン分光と呼ばれている.ハドロン分光の研究は,E. FermiらのΔ(1232)バリオンの発見(1952年)に始まる.以後,次々に発見されたハドロンのうち,基底状態の性質はクォークのもつスピン・フレーバー対称性により系統的に説明される.励起状態の質量スペクトルについても,ハドロンをクォーク少数粒子系の束縛状態とする構成クォーク模型に基づいて,スペクトルのおおよその振る舞いを理解することができる.しかし,構成クォーク模型をはじめ,ハドロン構造模型の多くは,励起状態を安定粒子とする"静的なハドロン"の描像をとっている.一方,散乱実験で観測されるハドロン励起状態のほとんどは,10^<-22>秒ほどでより質量の小さい複数個のハドロンに崩壊する,非常に不安定な共鳴状態である.このような共鳴状態は,ハドロン連続状態の成分を多く含んでいる筈である.実際,電磁形状因子の研究が進むにつれ,単純なクォーク模型では理解できない現象が見つかってきた.このために,"共鳴状態としてのハドロン励起状態"という観点が導入された.著者らは,散乱振幅の2体及び3体ユニタリ性を満たしつつ,ハドロン連続状態を含む様々な共鳴状態の解析を可能とする動的チャンネル結合模型(DCC模型)を開発した.この反応模型を用いて,光子・π中間子ビームによる陽子を標的にした中間子生成反応の解析から,核子共鳴のスペクトルや電磁形状因子が得られ,共鳴状態の詳細な理解が進みつつある.DCC模型は,今後,さらに高励起核子共鳴状態,重いクォークを含む系,中間子共鳴にも応用され,量子色力学(QCD)の非摂動論的事象を解明することが期待される.
  • 田中 純一
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 83-92
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
    欧州原子核研究機構(CERN)においてATLAS実験とCMS実験は2012年7月4日に「ヒッグス粒子らしい新粒子を発見した」として合同セミナー及び記者会見を行った.その粒子の性質については十分理解できていないことから学術的な正確さを期すため「らしい」という言葉を補ったが,この研究に携わった多くの研究者にとって約50年にわたって探し続けてきた「ヒッグス粒子」発見の歴史的な発表であった.素粒子の標準理論には12種類のフェルミオン(クォークとレプトン),4種類のゲージボソン,そして1種類のヒッグス粒子,合計17種類の素粒子が存在する.この17個の素粒子によりこの世界の物質とその間の相互作用が非常に上手く記述できることがこれまでの数々の実験から示されてきた.しかしながら,この17個の素粒子の中でヒッグス粒子は唯一その存在が実験で確認されていなかった粒子で,他の素粒子に「質量を与える」メカニズムの証拠となる素粒子である.そもそもゲージ不変性を基本原理としている標準理論では素粒子は一般に質量を持つことができない.そのためW/Zボソンや電子等の素粒子が質量を持っているという観測事実は標準理論では説明できないように思えるが,1964年にピーター・ヒッグスらは,標準理論に自発的対称性の破れを応用することでローカルゲージ不変性を保ちつつ,素粒子に質量を与えることに成功した.これがヒッグス機構であり,その副産物としてヒッグス粒子と呼ばれるスカラー粒子が予言された.したがって,素粒子の質量の起源であるヒッグス粒子を発見することは標準理論を完成させる上で必要不可欠であり,ある意味標準理論において残された最後の,そして最重要研究テーマであった.2012年7月,標準理論のヒッグス粒子探索の研究においてATLAS実験は統計的有意度5.9σ,CMS実験は5.0σの事象超過を質量126GeV付近に発見した.先に述べたようにこの時点では「らしい」という言葉を補っていたが,2012年12月まで取得したすべてのデータを使って研究を進めた結果,2013年3月に結合定数の強さが標準理論と無矛盾であることやスピン・パリティが0^+であるという強い示唆を得たため,この新粒子は「らしい」がとれて晴れて"a Higgs boson"となった.その根拠となる様々な結果は本文に譲って,ここでは3つの結果を挙げる.標準理論のインプットパラメータの一つであるヒッグス粒子の質量はATLAS実験125.5±0.2(stat.)^<+0.5>_<-0.6>(syst.)GeV,CMS実験125.7±0.3(stat.)±0.3(syst.)GeVである.標準理論のヒッグス粒子に対する信号の強さ(標準理論であれば1となるパラメータ)はATLAS実験1.33^<+0.21>_<-0.18>(125.5GeV),CMS実験0.80±0.14(125.7GeV)で標準理論のヒッグス粒子の信号と無矛盾である.また,この粒子のスピン・パリティについては0^+に対して0^-,1^±,2^+のモデルは97.8%CL(以上)で排除した.このヒッグス粒子が標準理論のヒッグス粒子かどうかをより精度良く見極めるためには更にデータが必要である.標準理論の素晴らしさをより一層実感するか,それとも標準理論を超えた物理を垣間見るか,LHC実験の再開が非常に楽しみである.
  • 三宅 芙沙, 増田 公明
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
    放射性同位体の存在量測定による年代推定は,自然科学や考古学などの様々な場面で応用されている.測定対象となる同位体には^<14>Cや^<10>Beなどがあり,これらは地球に飛来して大気に突入した宇宙線が,大気中の原子核と相互作用することによって作られる.同位体の半減期と平均的な生成量がわかっているので,その濃度を調べることによって生成からの経過年数を知ることができる.逆に,年代がわかっている試料,例えば樹木の年輪や極地方の氷床中の同位体濃度を調べれば,当時の宇宙線の強度を知ることができる.宇宙線によって生成された^<14>Cは,二酸化炭素^<14>CO_2となり,さらに樹木へと取り込まれて年輪内で固定されるため,年輪中の^<14>C濃度は過去の宇宙線強度を「記録」しているのである.したがって太陽フレア,超新星爆発,ガンマ線バーストといった突発的高エネルギー宇宙現象も,^<14>C濃度の急激な増加として,その痕跡が記録されている可能性がある.このような背景のもと,我々は6-12世紀における屋久杉年輪中の^<14>C濃度を1-2年分解能で測定してきた.その結果,西暦774-775年,993-994年にかけての2つの^<14>C急増イベントを発見した.これらは1年程度の時間で急激な^<14>C濃度の上昇を示した後,10年のオーダーで減衰していく様子がきわめて似ており,同じ原因によって引き起こされたことが示唆される.さらにこの2イベントについては,ヨーロッパ産の年輪中の^<14>Cと南極の氷床中の^<10>Beにおいても全く同時期に濃度の異常上昇があったことがわかり,屋久島付近における局所的な現象ではなく,地球規模で何らかの大きな変動を与えた突発的宇宙現象がその原因であることが決定的となった.すぐさま,その宇宙現象が何であったかについての活発な議論が始まった.先に述べた太陽フレアやガンマ線バーストなどの現象について,その発生頻度や放出されるエネルギー,地球に与える影響などについて定量的評価が行われた.現在のところ最も有力と見られているのは,太陽表面の爆発によって地球に大量の放射線が降り注ぐSolar Proton Event(SPE)という現象である.また,見つかった2イベントにおける^<14>C濃度の上昇量を説明するためには,その規模は現在知られている最大の太陽フレアの10倍から数10倍であることも明らかになった.これまでに多くの研究者によって年輪中^<14>Cの1-2年分解能の測定が行われてきた期間は,合計すると約1,600年分になる.そしてその期間中,このような大規模なイベントが少なくとも2度起こっているというのは注目すべきことである.^<14>C濃度の上昇はきわめて短い時間で起こっており,本研究のような1-2年の分解能による測定で初めて発見することができるものであるが,この分解能による測定がなされていない期間に,このようなイベントがまだ過去に多く隠されている可能性は高いのである.過去の大規模フレア現象の頻度を正確に把握することで,太陽活動メカニズムの新しい知見を得るとともに,将来における「宇宙気象」の予測へとつながることなどが期待される.また観測史上最大のキャリントンフレア(1859)でも世界的に大きな影響があったことが知られており,その数10倍の規模のフレアが「珍しくない」とすれば,現代社会活動への諸影響を考えることも大変に重要である.
  • 秋元 琢磨
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 98-101
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
    親水基と疎水基を持つ脂質分子は,水溶液中では,親水基を外側に向けながら自己集合する事により脂質2重膜を形成します.この性質により,脂質2重膜は,細胞の内と外を隔てる細胞膜として機能します.そして,脂質2重膜は,単に膜として機能するだけでなく,膜を形成しながらも流動性を持ち,膜貫通タンパク質が膜上で拡散する環境を整え,様々な生物学的な反応を促進させる役割を果たしています.通常,粘性流体中の微粒子は,ブラウン運動として知られていますように,溶媒分子からの揺動力によりランダムな動きを示します.そして,流動性を特徴付ける平均2乗変位(MSD),〈x^2_t〉,は時間に対して線形に増大します.しかしながら,からみあった高分子溶液のような粘弾性流体中では,微粒子のMSDは,線形に増大する通常の拡散ではなく,劣線形的に増大する異常拡散(遅い拡散),〈x^2_t〉∝t^α(α<1),になります.脂質2重膜は,これまで,高粘性流体であると考えられてきましたが,粘弾性に関する精密な測定実験は難しく,粘性流体なのか粘弾性流体なのかは未だ明らかになっていません.本研究では,水と脂質分子からなる系の分子動力学シミュレーションを用いて,脂質分子の軌道を解析する事により,脂質2重膜を形成する脂質分子の異常なダイナミクスについて報告します.我々は,脂質2重膜は短い時間領域で粘弾性を持つ事を発見しました.また,脂質分子は平面上にしか動く事ができないため,分子の混み合いが生じ,膜中に空隙ができる事によりはじめて大きく動ける事がわかりました.さらに,脂質分子が大きく動くまでの時間分布はベキ分布になり,それに起因して,長時間平均量が非常にゆっくりと収束する事を発見しました.これらの知見を得るには,シミュレーションで得られた脂質分子の重心の軌道を用い,長時間平均で定義されたMSD(TAMSD)及びその揺らぎを調べる事が必要です.長時間平均が空間平均に一致するというエルゴード的な系では,観測時間を長く取れば,TAMSDはMSDに一致します.したがって,もし系がエルゴード的であるならば,1分子の軌道のみから拡散性を知る事ができます.さらに,TAMSDの揺らぎの観測時間依存性を見る事により,エルゴード性の破れや揺らぎの異常性を明らかにする事ができます.異常拡散は粘弾性流体だけではなく,アモルファス半導体における荷電粒子の輸送,細胞内輸送,生物の探餌行動等の様々な自然現象において観測されます.特に,生きた細胞内におけるタンパク質やmRNA等の異常拡散は注目を集めています.そこでは,TAMSDが遅い拡散を示すだけでなく,その拡散係数が実験毎に大きく異なる事が明らかになってきています.現在,このような非再現性の物理の基礎理論やその生物学的な役割の解明が期待されています.本研究では,TAMSDのエルゴード特性を解析する事により,脂質2重膜は粘弾性に由来した異常拡散を示すだけでなく,TAMSDが観測時間に対して非常にゆっくりと一定値に収束する事がわかりました.この結果は,細胞内の異常拡散を理解する上で重要な知見を与えていると考えています.
  • 林 和弘, 桑原 真人
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 102-105
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 安藤 恒也, 笠井 秀明
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 106-107
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 領域委員会
    2014 年 69 巻 2 号 p. 108-115
    発行日: 2014年
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 長柄 一誠
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 116-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 修司
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 117-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 村山 能宏
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 118-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 北野 正雄
    原稿種別: 本文
    2014 年 69 巻 2 号 p. 118-119
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2014 年 69 巻 2 号 p. 120-121
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2014 年 69 巻 2 号 p. 121-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 関 和彦
    2014 年 69 巻 2 号 p. 122-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
  • 2014 年 69 巻 2 号 p. 123-
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
    ■第13回代議員懇談会開催のお知らせ ■第94回定時総会開催のお知らせ ■第69回年次大会の宿泊・交通等の案内 ■大会の宿泊手配業務等の業者依頼について(お知らせ) ■2014年1月1日付新入会者
  • 原稿種別: 付録等
    2014 年 69 巻 2 号 p. 125-126
    発行日: 2014/02/05
    公開日: 2019/08/22
    ジャーナル フリー
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