トカマクに代表されるトロイダル系磁場閉込めのプラズマは, エネルギーや粒子を供給されて保たれる散逸構造として成立している. プラズマ内部の熱・粒子・運動量の空間分布が様々な形を取るほか, 異なる形の分布の間の遷移現象や間歇的エネルギー損失, イオン種間の空間位置の交換など, 閉込めプラズマは種々の時空間スケールを伴う輸送現象の宝庫である. ベールに隠されていた未知の物理が今明らかになってゆく時かもしれない. ここではトカマクを例に取り, プラズマ中の輸送現象に関して, 物理的現象や理論モデルと実験との比較について, 最近の進展を解説する.
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