ニュートリノ質量の絶対値を決める目的で,ニュートリノ放出を伴わないOν二重ベータ崩壊の探索が世界各地で行われている.崩壊寿命からニュートリノ質量を導くには核行列要素の理論計算が必要である.はたして,現在の理論計算はニュートリノ質量を導くために十分な精度を持っているのであろうか? ^<48>Caが^<48>Tiに崩壊する二重ベータ崩壊について,中間核^<48>Scのガモフ・テラー(1^+)状態を経由する核行列要素成分を検証する目的で,荷電交換反応の散乱実験を行い,ガモフ・テラー遷移強度分布を求めた.現在の核構造の理論計算はガモフ・テラー遷移強度分布を再現せず,核行列要素の記述が不十分である可能性を示す結果となった.
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