最近,急速に開発が進んでいるガンマ線検出用の半導体として,テルル化カドミウム(CdTe)あるいはテルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)がある.これらの半導体は,II-VI族の化合物半導体に分類され,比較的大きな原子番号(Z
cd=48,Z
Te=52)を備えており,NaI(Tl)シンチレータをしのぐ高い検出効率に加えて,室温動作を可能にするのに十分なバンドギャップエネルギーを持つのが特徴である.そのために1970年代より精力的に研究が進められてきたが,エネルギー分解能の高い検出器か作られてこなかった.ところが最近,いくつかの技術革新がなされ,国内外で,高いエネルギー分解能を持つ検出器が実用化された.現在,宇宙観測をはじめとして,医療や非破壊検査,放射線計測など広い領域で,イメージング検出器などへの応用が進んでいる.
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