自然現象の中には, 自由度の大きい系がもたらす, 時間的にも空間的にも複雑な振舞が数多く見られる. 流体系での乱流現象はむろんのこと, 固体物理の非線形現象や化学反応や光学系, 更には生命現象にも例は挙げられる. ここでは, そのような現象を自由度の大きいカオスとして捉え, その為のプロトタイプとしてのモデル, coupled map lattice (CML) を提唱する. そのsimulationをもとに, 時空力オスの諸現象を概観し, 更に, 定量的記述法, 非線形素子としての可能性などについても触れたい.
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