日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
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70 巻, 11 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2015 年70 巻11 号 p. Cover1-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 須藤 彰三
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 809-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2015 年70 巻11 号 p. 810-811
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 迫田 和彰
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 812-813
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 井上 公
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 814-823
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
    RRAM(またはReRAM)というのは15年ほど前に発明されたメモリ素子のことだ.「絶縁体を金属電極で挟んだだけ」のコンデンサとそっくりな構造である.トランジスタの「ゲート」に相当する3端子目が必要ないので,原理的には最も微細化可能なメモリ素子ということになる.語頭のRは電気抵抗(resistance).2端子間の抵抗が低いときが"1",高いときが"0"に相当する.この"1"と"0",つまりオン状態とオフ状態は電圧をゼロにしても保たれる.つまり不揮発メモリである.これに対してDRAMやSRAMといった現代の計算機に必須の高速メモリは,電圧をゼロにすると情報が失われる揮発メモリだ.SRAMとDRAMを不揮発メモリのRRAMで置き換えれば,オンオフを切り替える瞬間にしか電力を使わない「ノーマリーオフ」の,劇的に省エネルギーなコンピュータが誕生する.実際にRRAMが高速動作を示すという研究報告も増えており期待が高まっている.なぜ抵抗値が不揮発に変化するのか?なぜ2端子で動作するのか?様々な興味深い原理が提唱されたが,現在では「金属電極と絶縁体との界面での電気化学反応,価数の変化,構造相転移といった現象」がメモリ動作の起源であると考えられている.しかしそのような界面現象の再現性を電子デバイスとして実用化できるほどに高めるというのは容易なことではなく,現象への理解が深まるにつれて実用化を疑問視する声が聞こえてくる時期もあった.ところがこの数年で状況は一変する.高速無線技術や膨大なデータを共有できるクラウド技術が急激に発展し,モバイル機器どころかウェアラブル機器までが次々と登場した.機械や装置どうしがインターネットで繋がり情報伝達する「モノのインターネット(IoT)」の時代の到来である.IoTの鍵を握るのは「微細化に有利で,省電力で,かつ高速に読み書きできる」メモリ.まさにRRAMにほかならない.IoT関連の市場規模は2020年には9兆ドルになるという予想さえあり,第4次産業革命だとまで言われている.ニッチだとかスキマだとか思われていた市場が巨大な市場に変貌してきたのだ.特に体内に埋め込むウェアラブル機器はRRAMの独壇場になるかもしれない.現在の半導体メモリには医療機器の殺菌処理に必要なガンマ線に対する耐性がないからだ.昨年あたりからはRRAMが搭載されたモバイル機器が市販されるようにまでなってきた.したがって,RRAMの原理がどこまで理解されたのかをこの機会に知っておくのは悪くない.ただしRRAMと呼ばれる素子には非常に多くの種類があるので,まずそこを整理する必要がある.研究の性質上,「メモリ特性が良いか悪いか」の視点で議論されることがこれまでは多かったが,これだと物理の研究者には敷居が高いようだ.そこで本稿では「RRAMの電流-電圧特性曲線の分類」に的を絞って,メカニズムの理解に繋がる実験結果のみを整理する.物理研究者にとっての研究の入り口になることが目的である.物理の研究者でなくとも,他のレビューとは違う視点からの整理に接することで,斬新なアイデアの誕生に繋がるかもしれない.RRAM研究の新展開がここから始まることを期待したい.
  • 早川 岳人, 梶野 敏貴, 千葉 敏
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 824-829
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
    宇宙核時計とは,放射性同位体の親核と娘核の数の比から,親核が宇宙で生成された年代や,隕石等が形成された年代など,宇宙的な年代を測定する手段である.特に10^5年から10^8年の半減期を有する放射性同位体(消滅核種)は,その放射性同位体を生成した天体現象(例えば,超新星爆発)から太陽系形成時までの時間(Δ)を評価する宇宙核時計として用いることができる.^<129>Iや^<107>Pdなどは急速な中性子捕獲反応過程(r過程)の宇宙核時計として知られ,r過程からのΔが評価されている.しかし,現在ではr過程の天体環境について再考が必要となり,r過程の消滅核種は宇宙核時計として機能しなくなってしまったため,新しい種類の宇宙核時計が求められている.そのような候補の一つがニオブ92(^<92>Nb)である.^<92>Nbは約3.47×10^7年の半減期で^<92>Zrにβ崩壊する放射性同位体である.^<92>Nbは現在の太陽系には存在しないが,様々な種類の隕石の研究によって,太陽系形成時に^<92>Nb/^<93>Nb〜10^<-5>に相当する^<92>Nbが存在していたことがわかってきた.しかし,^<92>Nbを宇宙核時計として用いるには2つの大きな問題があった.まず,太陽系形成時の値として,^<92>Nb/^<93>Nb〜10^<-5>以外にも,^<92>Nb/^<93>Nb〜10^<-3>の値が報告されている.実に2桁の開きがある.もう一つのより深刻な問題は,^<92>Nbを生成した元素合成過程(つまり,^<92>Nbを生成した核反応およびその反応が発生した天体現象)が不明な点であった.これまで,^<92>Nbの天体起源として,超新星爆発における光核反応や爆発的な核融合反応(α-rich freeze-out)などの仮説が提案されたが,これらの理論計算では^<92>Nb/^<93>Nb〜10^<-3>-10^<-5>の値を再現できなかった.このような状況において,著者らは超新星爆発のニュートリノによって外層に存在していた^<92>Zrから^<92>Nbが生成されたとの仮説(ニュートリノ過程)を提唱した.ニュートリノ過程では,原始中性子星から放出されたニュートリノによる核反応によって希少同位体が生成されるというモデルであり,希少な核種の^<138>Laと^<180>Taの太陽組成を系統的に説明できる唯一のものでもある.^<92>Nbのニュートリノ過程による生成仮説を検証するため,まず原子核構造を考慮して^<92>Nb生成に関係したニュートリノ-原子核反応率を求め,得られた反応断面積を組み込んだ超新星爆発モデルによって^<92>Nbの生成量を計算した.さらに,太陽系誕生の直前に発生した超新星爆発の生成物の原始太陽系に対する混ざり込みをLate Inputモデルを用いて計算した.その結果,^<92>Nbを生成した超新星爆発から太陽系形成までの時間が100万年から3,000万年とすると,^<92>Nb/^<93>Nb=10^<-5>の値が説明できることが判明した.現在,ニュートリノ過程が太陽系生成時の^<92>Nbの量を定量的に説明できる唯一のモデルである.同時に太陽系誕生直前に膨大なニュートリノを放出する重力崩壊型超新星爆発が発生したことを示唆する.現時点では,評価した年代の幅が大きいが,将来隕石研究の進展によって,より精密な太陽系形成時の^<92>Nb/^<93>Nbの値が得られたら,より精密に超新星爆発が発生した年代を決めることができると期待される.
  • 高嶋 梨菜, 藤本 聡
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 830-834
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
    磁性体で発見された渦糸状スピン構造のスキルミオンは,連続変形ではつぶせない安定な構造をもち,粒子や弦のような独特のダイナミクスを示すことから,基礎物性として興味深いだけでなく,磁気記憶デバイスなど応用上の研究の展開も期待されている.また,このスキルミオンは伝導電子に有効的な「磁束」として作用することも知られており,トポロジカルホール効果として観測されるなど,スキルミオンとの結合で生じる伝導現象についても関心を集めている.最近,スキルミオンが格子状に配列した相をもつ金属磁性体Fe_<0.5>Co_<0.5>Siにおいて,スキルミオンの合体ダイナミクスが報告された.磁場中で磁性体を冷却することにより,スキルミオンの準安定状態が実現されるが,この状態で磁場を下げたときに,スキルミオンが合体して数を減らす様子が観察されている.さらに数値計算に基づき,合体点で有効「磁場」の湧き出しを与えるモノポール構造の生成が示された.このモノポールの生成消滅を伴う「磁束」の合体・分裂過程は,通常の電磁現象では見られない際立ったものである.さて,本稿では,このスキルミオンの合体過程がもたらす新奇な伝導現象,電磁現象に関する最近の研究を紹介する.特にこの研究では伝導電子に働く効果として,スキルミオンとの相互作用に加えて,相対論的なスピン軌道相互作用に注目する.すなわち,Fe_<0.5>Co_<0.5>Siにおけるスキルミオンの実現にはDzyaloshinskii-守谷(DM)相互作用が不可欠であるが,この系のDM相互作用は結晶の空間反転対称性の破れとスピン軌道相互作用に由来している.他方,Fe_<0.5>Co_<0.5>Siは,伝導電子が磁性も担う遍歴磁性体であることから,伝導現象にも空間反転対称性の破れに起因するスピン軌道相互作用が重要な役割を果たすと考えられる.スキルミオンやモノポールのようなトポロジカルに非自明なスピン構造は,ベリー曲率の効果により,伝導電子に対して有効的な「磁場」を生み出し,それらのダイナミクスは,有効的な「電場」を生み出す.さらに反転対称性の破れに起因するスピン軌道相互作用が存在すると,上記の実空間における非自明な構造に加えて,波数空間にもトポロジカルに非自明な構造をもつことになる.この2つの非自明な構造の絡み合いが,磁気スキルミオン-モノポール系の物理に新しい色彩を加える.たとえば,空間移動するモノポールが,有効的な磁荷に加えて,電荷をもつような振る舞いを示すことが分かった.つまり,あたかもダイオンのようにふるまうのである.このような伝導電子の豊かな構造とスキルミオン特有のダイナミクスを組み合わせることで,今後も多様な現象が見つかることが期待されている.
  • 鈴木 洋一
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 835-839
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
    近年の単分子計測技術の向上により,1分子レベルでの生体分子の機能,特性が明らかになってきた.骨格筋・心筋中のタイチン,細胞外マトリックス中のフィブロネクチン,赤血球中のスペクトリンなどのタンパク質は力学的ストレスに抵抗する機能を有している.また,高次構造をもつ核酸・タンパク質複合体が,タンパク質を生成する過程にも機械的な力が関連している.原子間力顕微鏡(AFM),レーザーピンセット,磁気ピンセット等を用いることで,生体分子を直接引っ張る,ねじる,あるいは変形させ,分子内部の性質を探る研究が盛んになされている.分子を一定の速さで引っ張る,分子に一定の力を加える,あるいは分子の長さを一定に保つ時,分子にかかる力や,分子の2点間距離(伸び)の変化を通じ,分子の構造変化が観測される.タンパク質や核酸,あるいはそれらの結合を機械的に引っ張った場合,折り畳まれたタンパク質のほどける現象(アンフォールディング)やリガンド・レセプターと呼ばれる分子結合の解離は,ピコニュートンほどの力で起こる.このような分子構造変化がナノスケールで起こることを考慮すると,室温(体温)下において熱揺らぎの影響(〜10^<-21>[J])を受ける.すなわち,このような生体分子の破断現象は確率的であり,自由エネルギー面(曲線)上の安定/準安定状態間の遷移プロセスであるとみなすことができる.近年,自由エネルギー曲線の立場から生体分子をモデル化し,実験結果から速度論的パラメータや,自由エネルギー曲線構造に関わるパラメータを抽出する方法が提案された.この方法は,従来の方法では抽出することのできない,タンパク質のアンフォールディングや,リガンド・レセプター結合の解離に必要な自由エネルギーを見積もることができる.また,抽出された遷移状態の位置から,実際の生体分子の安定構造を特徴付ける分子内結合部位(楔石にあたる部分)を特定することができる.さらにこの方法は,多くの実験結果を再現性よく説明できる.本稿の目的は,自由エネルギー面(曲線)描像に基づく方法の理論的背景に目を向けることである.分子を引き延ばす実験を解釈するにあたり,多くの場合,生体分子の伸びを"よい反応座標"と見なし自由エネルギー曲線が描かれる.反応座標は,反応(分子破断)の進行度を表す座標である.直感的には,折り畳まれている生体分子はコンパクトな構造をとり,アンフォールドしている場合は空間的に広がっているであろうから,分子の伸びは分子の破断を特徴付けると言えるのかもしれない.しかし,分子の伸びはいつでもよい反応座標なのだろうか?そもそも,よい反応座標とはどういうことであろうか?また,分子の伸びがよい反応座標でない場合,力を伸びの方向に負荷すると何が起こるのであろうか?本稿では,分子の伸びが,よい反応座標ではない帰結として起こりうる1つのシナリオについて焦点を当てる.また,このシナリオを示唆する実験結果をいくつか紹介する.このような実験結果に対する従来の解釈と,我々の解釈にどのような違いがあるかについても述べる.
  • 佐藤 琢哉
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 840-844
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
    磁気光学効果は1845年にファラデーにより最初に発見され,その後マクスウェルによって説明された,非常によく知られた現象である.磁場により光の偏光面が回転するファラデー効果や,光の複屈折が生じるコットン・ムートン効果などの磁気光学効果は「磁性体が光に作用する効果」である.これに対して,「光が磁性体に作用する効果」である逆磁気光学効果も考えることができる.すなわち逆ファラデー効果と逆コットン・ムートン効果は,それぞれ円偏光と直線偏光の光によって物質内に有効磁場を生じる.しかし逆磁気光学効果を実現するためには高強度の光源が必要であり,実験的な観測は1960年にレーザーが発明されたことによって初めて可能となった.ファラデー効果と逆ファラデー効果,コットン・ムートン効果と逆コットン・ムートン効果は,それぞれ同一の自由エネルギーから導出できるため,互いに逆効果であると言える.逆磁気光学効果を用いると,光によって磁性体の磁化振動を制御できる.磁場印加などの他の制御法と比べて,光パルスを用いることの利点は,超高速・非接触・局所的に制御できることが挙げられる.また光には波長や偏光などの特性があり,これらを変えることによってさらに自由度の高い制御が可能になる.本稿では,光の偏光に着目して,いかにして光の任意の偏光情報を磁性体の磁化振動モードに転写し,それを別の光で読み取るかについて述べる.完全偏光した光線は,2つの直交する振動成分とそれらの位相差という3つの偏光自由度をもつ.これらはポアンカレ球面上の3つのストークスパラメータS_1,S_2,S_3で記述できる.3つの偏光自由度を使って磁性体を制御するには,磁性体の側も3つの磁化振動モードをもつことが理想的である.このような磁性体の例として六方晶反強磁性体YMnO_3が挙げられる.この物質は3つの磁気副格子をもち,これに対応して3つの直交するX,Y,Z磁化振動モードをもつ.ここに偏光ストークスパラメータがS_1,S_2,S_3成分をもつ励起光パルスを照射すると,それぞれXモード,Yモード,Zモードの磁化振動モードが誘起されることが確認された.これは光の3つの偏光自由度すべてが独立に磁化振動モードという形で転写できたことを意味する.時間遅延をつけたプローブ光パルスを用いることにより,この3つの磁化振動モードを独立に読み出すことができる.また,偏光が互いにねじれたダブル光パルスを用いることで,約1THzで回転運動する磁化振動モードを単結晶系で励起することにも成功した.この結果は,振動モードのそれぞれに重ね合わせの原理が成り立ち,ポアンカレ球上の任意の点で示される偏光をもつ光パルスの偏光情報の磁性体への書き込みと読み出しが可能であることを意味している.これらの成果は,偏光を整形することで,磁性体の磁化振動モードを非熱的かつコヒーレントに制御する技術の開発につながると期待される.
  • 大村 孝幸, 下井 英樹, 河合 克彦, 小玉 剛史
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 845-850
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
    光による計測技術は,より高度な現象の解明への大きな手法となりつつあり,非破壊による物質の分析,高速現象の計測,高感度検出性などに特長づけられ,特に,医学,高エネルギー物理学,分光分析,バイオテクノロジーなどの分野では,光センサの性能の極限化が求められている.光センサは,外部光電効果型,内部光電効果型,熱型と大きく3つに分けられ,外部光電効果(真空中の金属や半導体に光を当てた時,表面から真空中に電子が放出される現象)を利用した製品として真空管技術を使った光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)がある.真空管=古い技術と思われるかもしれないが,PMTは,高速応答性と広い有効面積を持ち,なおかつ超高感度であるため,幅広い計測分野において最前線で使用されている.PMTは,一般的にガラス管で封じられた真空管で,光が入射する入射窓,光を光電子に変換する光電面,光電子を集める集束電極,電子を増倍する電子増倍部,増倍した電子を取り出す陽極で構成され,電子軌道解析により最適な電極設計がなされている.PMTに入射した光は,ガラス窓を透過して光電面から真空中に光電子を放出する.その光電子は電極に与えた電圧で加速され,集束電極で第一ダイノード上に収束され,二次電子を放出した後,引き続く各ダイノード群で二次電子放出を繰り返し約100万倍まで増幅され,最終ダイノードより放出された二次電子群は陽極より信号として取り出される.PMT内部は高真空(クリーン)なので,高性能な光電面の作製が可能で,光を光電子に変換する効率は40%以上にまで達している.また,電子は真空場に形成した電場で制御できるので,最大径50センチの光電面から放出した光電子を,数センチの面積に集めることが可能となっている.更に,電子は高真空中を走行するので,高速な時間特性の取得が可能である.光を粒として数えられる高感度と高速応答特性が,PMTが最前線で利用される理由である.PMTの発展は,光電面と二次電子増倍部の開発の歴史に基づいている.光電面は,計測用途に応じ,可視域用バイアルカリ光電面,赤外域まで感度のあるマルチアルカリ光電面,紫外検出用アルカリハライド光電面や,紫外から近赤外域で高い感度を持つIII-V族化合物半導体を用いた光電面が開発されている.二次電子増倍部も同様に,サーキュラケージ型,ラインフォーカス型,ボックスアンドグリッド型,ファインメッシュ型,メタルチャンネル型が開発されている.最近のトピックスとして,MEMS技術によるシリコン基板電極を用いた指先に載る世界最小のマイクロPMTや,電子管に半導体素子を内蔵した新しい光センサ:Hybrid Photo-Detectorの開発を進めている.
  • 平松 和政
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 851-854
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 桂木 洋光
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 855-858
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 上田 和夫
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 859-860
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 土井 正男
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 861-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 片山 郁文
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 862-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 板倉 数記
    原稿種別: 本文
    2015 年70 巻11 号 p. 862-863
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 2015 年70 巻11 号 p. 863-
    発行日: 2015年
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年70 巻11 号 p. 864-867
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年70 巻11 号 p. 867-868
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 沖本 洋一
    原稿種別: 付録等
    2015 年70 巻11 号 p. 868-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年70 巻11 号 p. 869-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年70 巻11 号 p. 870-895
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年70 巻11 号 p. 896-
    発行日: 2015/11/05
    公開日: 2019/08/21
    ジャーナル フリー
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