1) 給与桑内に於ける蚕の垂直分布は, 蚕の各発育時期を通じて暗飼育は明飼育に比べて深い。
2) 就眠時に達すれば給与桑内に於ける蚕の垂直分布は飼育の明暗によつて差がない。
3) 起蚕は中, 盛食期蚕より給与桑上に逼い上る速度が早く, 垂直分布は浅い傾向がある。
4) 蚕品種によつて給与桑上に逼い上る速度の早いものと遲いものとがあり, 前者には歐18号, 金色207などが, 後者には輪月, 大造, 飯W, 大正白などが, そして中間のものには日112号, 支110号などがあるように思われる。
5) 交雜第一代は両親のうちの垂直分布の浅い親の分布に近い分布を示す。
6) 同一品種については逼い上りの早いものは常に早く, 遅いものは常に遅い傾向がある。
7) 稚蚕期における調桑型式のうち〓桑は〓芽より, 〓芽は全芽より給与桑内に於ける蚕の垂直分布は浅い。
8) 給与桑の多いものは少いものより蚕の垂直分布を深め, 明ではその差は僅かであるが, 暗においてはその傾向が著しい。
9) 第5令期においては蚕座面積の広いものは狹いものより, 給与桑内における蚕の垂直分布を深める傾向がある。
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