1. クワ裏うどんこ病菌 (
Phyll. moricola) の子のう殻を吸水ろ紙上に保つと, 子のう殻は吸水して膨張するが, 直径よりも厚さが著しく増大する。
2. 子のう殻をペトリ皿の水面上にまいて観察すると, まず, 赤道帯の頂上寄りのところにき裂があらわれ, このき裂は赤道帯に平行して徐々にひろがる。これに伴って子のう殻は上半部と下半部にわかれる横周裂開を行なう。き裂ができてから子のう殻が約90° に裂開するまでには5~10秒を要する。
3. 裂開直後の子のう殻中には, 未裂開の子のう殻中に含まれると同様の子のうがみられる。ところが, 子のうの内容は徐々に変化し, 裂開後約1.5時間に子のう胞子の射出が行なわれる。射出された子のう胞子数は次第に増加し, 5時間後にはかなりの数になる。
4. 各種濃度のしょ糖溶液中に子のう殻をまいて, 裂開と子のう胞子射出を観察した。しょ糖濃度が0.16モル (浸透圧として4.22気圧) になると, 裂開率は著しく低下し, 0.32モル (8.71気圧) では約1%の裂開率となる。子のう胞子の射出もこれと大同小異である。しょ糖濃度が0.24モル (6.24気圧) になると, もはや子のう胞子の発芽はみ
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