日本蚕糸学雑誌
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49 巻, 6 号
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  • 小松 計一
    1980 年 49 巻 6 号 p. 457-465
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 藤巻 忠彦
    1980 年 49 巻 6 号 p. 466-470
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    劣性自然突然変異, 江口ざりがに蛹 (cf-e) の連関分析を行った。その結果, cf-e, skと連関し, 第4染色体上に座乗することが明らかになった。また, cf-e-skの2遺伝子間の組換実験, ならびにcf-e-L-skによる3点実験を行い, cf-eの座位はL遺伝子座の左側, -15.3の位置に座位することが判明した。したがってL現在まで遺伝子が基点とされていた第4染色体地図はcf-eを基点0.0とし既知のL, l-w, mal, sk, Spc の各遺伝子座をそれぞれ15.3, 28.4, 30.1, 41.1, 48.4に変更した。
  • 勝又 藤夫, 石黒 善夫
    1980 年 49 巻 6 号 p. 471-476
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    (1) ジャワのカラケグワの形質と中国の河北省, 四川省に由来する同種の桑の形質とを比較した結果, 前者と後者の大部分の形質は類似していた。しかし, 2, 3の形質すなわち後者のがく片, 葉, 葉柄や若枝に毛の多い形質, 雄花のがく片の黄花性, 雌花穂の長楕円形などの形質は前者では観察されなかった。
    (2) ジャワのカラケグワは2倍体で染色体数は2n=28(2x) であった。染色体の大きさは有糸分裂中期のもので最長の2本が約1.7μm, 中位のものは約1.1μm, 最短のものは約0.7μmの長さであった。染色体の形については metacentric のもの, submetacentric のものを認めたが小形の染色体については非常に小さいため形態を決定することが困難であった。
    (3) 上述の調査結果によりジャワのカラケグワの形態的形質は2倍体の桑樹の形態であり, JANAKI AMMALの記述から河北省, 四川省のカラケグワは倍数体の桑樹の形質であると思われる。
    (4) 河北省, 四川省のカラケグワの形態的形質のうち葉, 葉柄, がく片, 若枝に毛が多いこと, 雄花のがく片が黄色を呈すること, 雌花穂が長楕円形となっていることは倍数体植物の巨大化性によると想定された。
  • 川瀬 茂実, 橋本 義文, 中垣 雅雄
    1980 年 49 巻 6 号 p. 477-484
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    軟化病ウイルス (坂城株) を精製純化し, その核酸, たんぱく質の諸性状を調査した結果, 以下の点が明らかとなった。
    1) 本ウイルスの核酸は単鎖RNAで, ウイルスRNAのS値は33S, 分子量は2.4×106ダルトン, ウイルスのRNA含有率は28.5%であった。
    2) 本ウイルスの構成たんぱく質は4種類確認され, それらの分子量はそれぞれ約31,000~32,000 (VP1), 41,000~42,000 (VP2), 49,000 (VP3), および68,000~69,000 (VP4) で, VP1が全たんぱく質の約70%を占める主要たんぱく質であった。
    3) 以上の結果より, 軟化病ウイルス (坂城株) はピコルナウイルスに属するウイルスで, そのクリプトグラムは〔R/1:2.4/29:S/S:I/O〕と決定した。
  • 渡部 仁, 清水 孝夫
    1980 年 49 巻 6 号 p. 485-492
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    養蚕農家における濃核病発生の現状を調べ, それが病原分布・蚕の感受性・病原伝播環境の疫学的要因にどのように影響されているのか, 埼玉県・長野県を中心に調査して次のような結果を得た。
    1) 現行夏秋用蚕品種には濃核病ウイルス (DNV) に対する抵抗性遺伝子が固定されていて全くDNVに感染しないものもあるが, 抵抗性遺伝子が未固定で感受性個体を分離する蚕品種もあった。
    2) 晩秋蚕期に養蚕農家に発生した病蚕を血清学的に診断した結果では, 濃核病蚕は埼玉県下では発生せず, 長野県南部に若干の発生が認められたにすぎなかった。
    3) 長野県下の養蚕農家の塵埃を生物検定した結果, DNVがいずれの農家からも検出された。また抵抗性蚕品種を飼育し, 濃核病の発生がなかった農家からもDNVが普遍的に検出されたので, 病原が桑園害虫に由来するものと推定した。
    4) 長野県に発生したクワノメイガ幼虫を調べたところ, DNVと血清学的に区別出来ない病原を漫性的に保持した個体がかなり高率に見出され, この病原を感受性の蚕に接種したところ濃核病蚕の発生が見られた。一方埼玉県に発生したクワノメイガ幼虫からは, このようなDNV抗原を保持する個体は検出されなかった。
    以上の結果から, クワノメイガは発生地域により異なるが, DNVを慢性的に保持している場合があり, 排出されたウイルスは桑葉とともに蚕座に持ち込まれるが, 抵抗性蚕品種が飼育されている限り濃核病は発生し得ないことを考察した。
  • 桑原 昂, 仲道 弘, 多々良 尊子
    1980 年 49 巻 6 号 p. 493-498
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    セリシン量を異にする少セリシン系生糸の摩擦特性について調べ, 次の結果を得た。
    1. 少セリシン系生糸は同一蚕期の標準糸に比し, 伸度は大きい。また, 強度ならびに強じん性は晩秋期では大きく初秋期では小さい。
    2. セリシン量と摩擦係数との関係について, 2g荷重下の騎乗法ではセリシン量に応じて逆比例的に低減することが判った。また, ベルト掛け法では, 木製糸道の場合が最も大きく騎乗法の場合と同様にセリシン量に応じて逆比例的に低減し, ガラス製糸道の場合は小さくしかもセリシン量に応じて比例的に増加するが, 弗素樹脂製糸道の場合はかなり小さい。
    3. 耐摩耗性は, セリシン量に応じて比例的に向上する。また, セリシン量の最も少ない試料では, 各糸道に対する平均摩擦係数に応じて逆比例的に低下する。
    4. 摩耗にともなう強伸度の減少する割合は, 木製糸道の場合にはセリシン量に逆比例し, 弗素樹脂製糸道の場合には比例する。
    5. このような結果から, セリシン量の少ない生糸ほど表面が不均一で摩擦抵抗が大きいが, 表面が平滑なガラス, 弗素樹脂製糸道に対しては摩耗されにくく実用上も支障ないことが想定できる。
  • 西出 照雄
    1980 年 49 巻 6 号 p. 499-505
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    マイクロコンピュータを用いた生糸の繊度制御系の構成法と制御・演算処理プログラムについて検討し, 次のような結果が得られた。
    1. 繊度制御系は, 制御指示に基づいて起動する接緒及び小枠停止機構と繊度検出端を装備した繰糸機, 繊度計測装置, 低域炉波器, デジタル繊度制御装置, 制御用電源装置, プリンタ, ポケッタブルコンソール等から構成した。
    2. 繊度制御及び演算処理を実行し, 本制御系の運用上重要な役割りを果すプログラムはアセンブリ言語で開発し, そのステップ数は2051ステップである。
    基本的な実験から, 本プログラムは繊度制御とデータの収集演算処理の実行が可能であることが検証された。
  • 平野 三男, 山下 興亜
    1980 年 49 巻 6 号 p. 506-511
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    家蚕の変態期における血糖量変動の機構を明らかにするために, 血液トレハローズの利用速度および代謝回転速度 (ターン・オーバー速度) について検討した。
    1. トレハローズの利用速度を, 注射した14C-トレハローズの放射能の減少速度から求めたところ, 5齢3日幼虫では1.35μmoles/時間・頭であったが, 1日齢蛹では0.09μmole/時間・頭と著しく減少した。その後蛹齢の経過とともに増加した。なお卵巣摘出は蛹齢後半での利用活性の増加を低下させた。
    2. トレハローズの半減期からターン・オーバー速度を算出した結果, 5齢幼虫では30~40μmoles/日・頭であったが, 1日齢蛹では約1/20に減少した。蛹齢前半では低いレベルが維持されたが, 後半の成虫発育にともなって増加した。また卵巣摘出は蛹齢後半のターン・オーバー速度を対照蛹に較べ約1/3に低下させた。
    3. 以上の結果から変態期における血糖量の変動はトレハローズの利用能の変動のみからは理解できず, 合成・供給系の活性の変動との相互関係によって規定されていると推察された。
  • 佐藤 令一, 渡部 仁
    1980 年 49 巻 6 号 p. 512-516
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    ショ糖, あるいは Percoll を用いた平衡密度遠心法により Nosema bombycis および3種の未同定微胞子虫の成熟胞子と思われる屈光性の大きな胞子の精製を試みた。
    ショ糖を用いた平衡密度遠心法では50~60% (w/w) ショ糖溶液上に, 30%ショ糖溶液に浮遊した部分精製胞子を重層し, スイングローターで75,000g, 30分間遠心したが, 明瞭なバンドの形成が見られず, 屈光性の大きな胞子のみを分離することはできなかった。また, この方法では胞子の洗浄中の孵化や, その後の保存中の不活化が起こり易く, 微胞子虫の胞子精製には不適当であった。
    一方 Percoll を用いた平衡密度遠心法では, 部分精製胞子を浮遊させた Percoll 液をアングルローターで73,000g, 30分間遠心して3本のバンドを形成させることができた。最下層のバンドは屈光性の大きな胞子のみより成り, また蚕組織片, 屈光性の小さな胞子, 細菌などをほとんど含まなかった。また Percoll の胞子への影響は見られず, 胞子の収率も良かった。
    以上の結果から, Percoll を用いた平衡密度遠心法によって屈光性の大きな胞子の分離, 精製を安定かつ容易に行いうることが認められた。
  • 尾暮 正義, 原島 典雄, 長沼 計作, 松島 幹夫
    1980 年 49 巻 6 号 p. 517-520
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    雌雄異株の多い桑品種において任意の交雑組合せを可能にする目的で, エスレル散布処理による性表現の変動を試みているが, 本稿では春刈をしたポット植の偏雄性品種を用い, エスレルの処理時期と桑の性表現変動について検討した。
    7月上旬から9月上旬までの数回の処理において, 枝条伸長の衰え始める8月上, 中旬以降に伸長した枝条部位に著しい雌性化が認められた。また, 7月下旬と8月下旬に処理した場合に最も多くの雌花穂および混合花穂が観察され, 処理適期は桑の生育の最盛期から衰え始める時期であることが判明した。
  • 土井 良宏, 木原 始, 永井 長利
    1980 年 49 巻 6 号 p. 521-524
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    新しい劣性自然突然変異, 樽蚕 (tub) の連関分析を行った結果, 裸蛹 (Nd) と連関することを見出した。Nd-tub連関群は既知の第1~第22連関群のすべてと独立であるので, 第23連関群となる。またNd, tub間の組換価は19.79%であった。したがってこの新連関群における遺伝子の座位は, Nd: 0.0 tub: 19.8となる。
  • 塚田 益裕
    1980 年 49 巻 6 号 p. 525-526
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 古沢 寿治, 鈴木 卓爾, 四方 正義
    1980 年 49 巻 6 号 p. 527-528
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 山口 雪雄
    1980 年 49 巻 6 号 p. 529-530
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 49 巻 6 号 p. 531
    発行日: 1980/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    Bacillus thuringiensis の2種の新血清型: subsp. dakota (血清型15) および subsp. indiana (血清型16)
    Heliothis virescens 核多角体外層膜の性状
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