定繊度繰糸過程において, 生糸繊度が細限繊度点
LSFF (Limit Size for Feeding) に達し, 1繭糸による生糸繊度の訂正が行われた後に, 次の
LSFFに至るまでの糸長区間
LBF (接緒要求間隔, Length Between Feeding-end) の平均値
MLBF, および訂正した際の接緒時繭糸繊度
SFE (Size of Filament-end being fed) の平均値
MSFEとの相互の関係, さらに,
MSFEと繭資質の代表特性の一つとしての解じょ率
R (1≧
R>0) との関係, ならびにRと生糸繊度の変位について考察した。
その結果,
(1)
LBFがワイブル分布
f{m, x0, γ} に従うことを前提とした場合に, 形状パラメータ
mの値は, 1.8~2.5以内にあるとみられ,
LBFの平均値
MLBFと最大
LBF,
xmaxとの比較ξ=
MLBF/xmaxの値は0.3~0.4内外を示す。
(2) 生糸繊度が
LSFFに達し, 繊度の訂正が行われる時点で, 繊度の飛躍的増大をみるが, 漸次, 負の一次的減衰をみるものと考えれば,
MSFE/MLBF=tanθ′として規定され, このうち
MLBFは
f{m, x0, γ}の平均値
x1/m・Γ(1+1/
m), (Γはガンマ関数) で規定される。
(3)
MSFEについては, 所定の原料繭とその繰糸条件によって定まる個有の解じょ率
Rおよび新繭, 落緒繭の各平均繊度ならびに
Rによって表示されるそれらの混合比率によって近似的に規定される。
(4) 繊度減衰率tan θ′の値は, 所定の解じょ率Rの範囲内において, これに対応する
MSFE推計値と
LBF分布
f{m, x0, γ}による
MLBF値の比として推計できる。と結論づけられた。
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