日本蚕糸学雑誌
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59 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • その最近の動向
    木村 光雄, 清水 慶昭
    1990 年 59 巻 3 号 p. 161-170
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 高林 千幸
    1990 年 59 巻 3 号 p. 171-181
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    製糸工程のFA化を図るための基本システムとして, 繰糸工程のコンピューターによる計測制御システムを構成した。本システムはその中枢となるコンピューター, コントローラー, 繰糸情報計測装置, 繰糸条件制御装置から成る。繰糸情報計測装置は, 自動繰糸機から得られる情報として, 各部の温度, 回転数及び給繭補充回数, 接緒回数, 糸故障回数等の計測信号を変換・表示するとともに, これらの信号を繰糸条件制御装置へ中継する装置である。繰糸条件制御装置は, 上記の計測信号をコントローラーへ中継するとともにコンピューターから出力される温度, 回転数等制御信号を変換・表示するためのものである。以上, 各装置の作動状態を確認したところ, 計装したすべての項目について正しく作動し, 本手法は製糸工程のFA化を進める上での一手法になることが確認された。
  • 陳 暁瑩, 嶋崎 昭典, 三浦 幹彦
    1990 年 59 巻 3 号 p. 182-186
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    繭検定法における検定供用繭の抽出過程をモデル化し, サンプルサイズと選除繭歩合の推定精度との関係について検討した。その結果, 検定供用繭より算出される選除繭歩合は繭荷口の選除繭歩合の不偏推定量を与えることを, また, サンプルの抽出量はほぼ妥当な値を示していることが判った。なお, 選除繭歩合の互に近似した農家の繭を集めて, 受検荷口を構成する, いわゆる, 層別化を行うと, 選除繭歩合の推定精度が向上することを明らかにした。
  • 押金 健吾, 庄 東紅
    1990 年 59 巻 3 号 p. 187-195
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    クワの分離芽培養を育種に利用する立場から, in vitro における倍数体桑の育成を目的として, 所定濃度のコルヒチン液およびコルヒチン液を含むMS培地に2, 3倍性クワ品種の分離芽を置床し, 所定時間浸漬または培養による処理を行った。これらの処理を施した後, 培養して得られた個体について形態ならびに染色体数の変異などを調査し, コルヒチン処理の効果をしらべた。実験は3回繰返したが, 処理個体中から形態的に正常で, 染色体数2n=84を算える6倍体が得られた。この6倍体は島の内, 福島大葉 (各3X) の分離芽を浸漬または培養したもので, いずれもMS+BA1mg/l+3%フラクトース培地で前培養後それぞれの処理を行い移植したものであった。育成個体の細胞分裂は正常で, 混数性細胞は認められなかったが, 他の2, 3X品種における異常個体は, 2n=28および42の正常細胞に混じて, 前者中に2n=56(4X), 後者中に2n=84(6X)と, 両者とも高次倍数性細胞を有する混数体が認められた。これらの結果は, クワの芽の分離培養におけるコルヒチン処理が, 倍数体の誘発に利用できることが示唆された。
  • 佐原 健, 川村 直子, 飯塚 敏彦
    1990 年 59 巻 3 号 p. 196-201
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    低温処理して誘起した4倍体 (RW4n) 雌に, それぞれ異なる伴性劣性遺伝子を有する3種の雄蚕sch (soh/sch・od/od), No(os/os)およびEq(6/6)を交配して得た3倍体 (順にRWsch3n, RWNo3n, RWEq3n) は, その表現形質によりZZW雌とZWW雌に区別できた。ZZW雌の出現割合がそれぞれ80.20%, 80.15%, 79.60%と理論値 (66.67%) に比べ大きい数値を示したことは, 4倍体雌において, Z-ZとW-W対合がより選択的に行われたことを意味する。いずれの区においても, ZWW雌の出現割合は非常に少なかった。RWsch3n区におけるZWW雌は自然孵化しないが, 他の2区におけるZWW雌は自然孵化し, 2つのW染色体の存在が自然孵化を妨げたとは考えられなかった。いずれの区のZWW雌においても, 産下される卵は大型卵であり, ZZW雌は不正形の混在する2倍体雌とほぼ同じ大きさの卵を産下することが明らかになった。
  • 陳 業林, 山下 興亜
    1990 年 59 巻 3 号 p. 202-209
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコの終令幼虫期以後の血液では分子量約30,000のタンパク質 (30kDaタンパク質) が主要な成分の1つであった。30kDaタンパク質の構成はカイコの系統によって異なり, NK4は2種, N4では3種, 錦秋では4種のタンパク質から構成されていた。発育中の卵巣はこれらの30kDaタンパク質を取り込み, 卵黄タンパク質として貯蔵した。それぞれの系統から精製した30kDaタンパク質に対する抗体は他の系統の30kDaタンパク質に対しても免疫反応性を示した。
    次に異なった系統間での卵巣原基の移植実験を行った。移植卵巣は寄主の血液中の30kDaタンパク質をすべて取り込み, しかもそれらの蓄積量はいずれの卵においても約30mg/g卵であった。これらの結果から, 卵母細胞はそれぞれの30kDaタンパク質を区別しえず, 非特異的に取り込むことが明らかとなった。
  • 榊原 充隆, 河上 清
    1990 年 59 巻 3 号 p. 210-217
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    桑園での総合防除体系確立の見地から, 殺虫剤DDVPがキボシカミキリの天敵糸状菌Cordyceps brongniartii (=Beauveria tenella) に及ぼす影響を調査した。DDVPを混入したSDYA培地にC. brongniartii 分生子を接種して菌の生育を観察した結果, 高濃度のDDVP混入培地では分生子の発芽が遅延し, 死菌数も増加した。DDVPを処理したキボシカミキリ成虫にC. brongniartii 分生子液を同時あるいは10日後に浸せき処理した場合, DDVP高濃度区では低濃度区に比較して C. brongniartii によるキボシカミキリの死亡が低下・遅延する傾向にあり, DDVPの糸状菌に対する悪影響が認められた。このため, 両者を与えた場合の死亡率はDDVPや C. brongniartii 分生子の単独処理時の死亡率より高かったが, 相乗的とまでは言えなかった。また, DDVP単独処理によるキボシカミキリの死亡率には雌雄差が認められ, 雌の感受性が低い傾向を示した。
  • 横山 岳, 須貝 悦治, 黄色 俊一, 潘 慶中
    1990 年 59 巻 3 号 p. 218-224
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    形蚕で黄血の雌 (J106×Cambodge; +p+Y/+pY) に黒縞で白血の雄 (re 9; ps+Y/ps+Y) を交配して得られた産下直後の卵を46℃の温湯で18分間処理し, 約62%の孵化個体を得た。これらの幼虫はすべて雌であり, そのうちの約92%にあたる個体が雄親由来の黒縞であった。しかも, すべての個体が黄血で, 雌親めヘテロ形質である血色の分離が認められず, 顕著な不妊性を示した。これらの結果は, 温湯処理卵から孵化した幼虫が3倍体である可能性を示唆した。そこで, 温湯処理卵の胚子期体細胞の染色体を調査したところ, 多くの個体の染色体は3n=84であることが確認された。また, これらの蛾の性クロマチンは1個であったので性染色体構成はZZWであると考えられた。これらの結果から, 産下直後の卵に温湯処理を施して得られる3倍体蚕は, 還元分裂が省略された不還元型の2倍体卵核 (ZW) と精核 (Z) とが受精したZZW 3倍体蚕であると結論された。
  • 中垣 雅雄, 武井 隆三, 長島 栄一
    1990 年 59 巻 3 号 p. 225-227
    発行日: 1990/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
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