養蚕農家のやや開放型の飼育施設と蚕具類を消毒するため, 小型常温煙霧機 (ジェーピークラルス社製ジェットパーフェクター) を利用した無人消毒技術について検討した。
1. 小型常温煙霧機を利用した超微粒子ホルマリン煙霧による蚕飼育施設の消毒効果は施設の気密性の程度と消毒時刻により大きく左右された。施設の隙間をガムテープやポリエチレンフィルム等でふさぐ程度の簡易処理で気密性を高め, 煙霧消毒を行ったところ十分な効果が得られた。煙霧消毒の効果は日中では劣るものの, 深夜から早朝では高く, 消毒時刻により大きく左右された。
2. 蔟器の消毒には組み立てた回転蔟2基を1組として互いに支え合うように隙間を空けて配置し, さらに, 扇風機等を利用して, 風向きを変えながら (首振り送風), 超微粒子ホルマリンを強制的に拡散させる必要があった。
3. 小型常温煙霧機の機体内部へのホルマリン固着を回避するため, 外気取り入れ装置を考案試作した。
4. 小型常温煙霧機を利用した農家飼育施設・回転蔟の無人消毒技術を明らかにした。
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