桑の品種および育成系統の接木苗, 合計1,330個体について, 発芽前に
60Coを線源とするガンマー線を線量率5kR/hrで総線量7.5kRを照射し, 照射後ただちに圃場に植付け, 3年間切戻しをおこない, この間に出現した葉形, 葉色および葉の大きさなどに関する芽条変異を調査し, 大要, つぎの結果をえた。
1. 照射後3年間における生存個体数は, 1,167であるが, 照射当年は11個体に芽条変異を認め, 照射後2年目および3年目にはそれぞれ50および40個体に新たに芽条変異を認めた。
2. 芽条変異の出現率には品種および育成系統間に差異が認められ, あつばみどり, No. 17, No. 1021, No. 2010およびNo. 3017は11%から15%と高く, わせみどり, 国桑21号および国桑27号は1.7%から3.2%と低く, 国桑70号は8%でこれらの中間にあった。
3. 出現した芽条変異は9種類で, 芽条変異の種類名と出現数は, 細長葉52, 葉縁縮葉33, 斑入葉5, 全緑葉3, 覆輪葉2, 中肋部淡緑色葉2, 多裂葉2, 小葉1および黄葉1であった。
4. 芽条変異の種類数には品種および育成系統間に差異が認められ, No. 1021は5種類, あつばみどり, 国桑70号, No. 17およびNo. 2010は4種類, No. 3017は3種類, わせみどりおよび国桑21号は2種類, 国桑27号は1種類であって, 芽条変異の出現率の高いものは芽条変異の種類も多い傾向を示した。
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