在来種及び改良種計103品種を用いて, カイコ5齢幼虫消化液中のアミラービアイソザイムを平板型ポリアクリルアミドゲル電気泳動及び等電点電気泳動により分析したところ, 各々の系統におけるアイソザイム型の頻度は, 0型59%, 4型29%, 5型12%であり, アミラーゼ活性は5型が最も高く, 4型がこれに次ぎ, 0型は活性の著しく低い品種が多かった。改良種は在来種に比べ5型が少なく, 0型が多かった。4型及び5型のアイソザイムの等電点は酸性よりpI 8.95, 9.15, 9.35及び9.50であり, 5型ではこの他にpI 9.70のアイソザイムが見られた。また, 二次元電気泳動法によると, 4型とpI 9.70を除く5型の4種のアイソザイムは, 全く同一の活性帯として検出された。中腸組織のアミラーゼアイソザイムについても消化液と同様に二次元電気泳動を行ったところ, 4型, 5型ともに消化液アミラーゼアイソザイムと全く同じ活性帯が検出された。
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