日本蚕糸学雑誌
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67 巻, 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • その合成制御機構と新規抗生物質としての可能性
    山川 稔
    1998 年 67 巻 3 号 p. 163-182
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 吉田 大介, 呉 軍, 杉原 秀樹, 濱田 州博, 石渡 勉, 三石 賢
    1998 年 67 巻 3 号 p. 183-189
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    フィブロイン膜による典型的な酸性染料, C. I. Acid Orange 7 (OR), Acid Red 88 (ROC), および染料モデルとして4-アミノ-3-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸ナトリウムの透過速度について, 染料と膜との見かけの相互作用を考慮することによって調べた。染料と膜との相互作用はみかけ上, ラングミュア型であることを確かめた。ROCの親和力はORよりも0.2kcal/molだけ大きかった。透過実験は希薄なHCl, NaCl溶液および純水中で行ったが, ORの透過量は純水<0.01M NaCl溶液<0.001M HCl溶液<0.002M HCl溶液の順であった。膜に対する親和力がORより大きいROCの透過速度はORよりもかなり小であった。フィブロイン膜中における染料の拡散係数および膜による透過係数をそれぞれ求め, 両者の関係を考察し, フィブロイン膜による酸性染料の透過現象は吸着拡散機構によって説明できることを述べた。
  • 但馬 文昭, 張 軍, 石黒 善夫
    1998 年 67 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    節の自動検査システムの隣接複数節に対するエッジ位置抽出性能を改善するために, ファジールールを用いたエッジ位置抽出方法を考案し, その有効性を明らかにした。節検査において検査員が判別した隣接複数節のエッジ位置を節計測波形と対応させる過程で, 平坦部評価パラメータを見い出し, その分布を調べた。平坦部評価パラメータには平坦部の前部の節の最大ピーク値pf, 後部の節の最大ピーク値pr, 平坦部の長さwfを用いた。分布はエッジを含む平坦部とエッジを含まない平坦部に概ね分離した。分布に基づくファジールールを用いたエッジ位置の判別システムを開発し, エッジ位置抽出実験を行った結果, 提案手法によれば, 従来のエッジ位置抽出方法に比較して, 誤差3mm以上の割合が5%改善された。
  • 坂口 文吾, 菅原 和宣, 蜷木 理, MARIAN R. GOLDSMITH, 河口 豊, 古賀 克己, 盧 時甲
    1998 年 67 巻 3 号 p. 197-203
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコとクワコおよび両種のF1と検定交雑種の卵殻タンパク質を二次元電気泳動法によって解析した。クワコのコリオンタンパク質はカイコでなされているようにA, B, C群に分類することができた。さらにクワコではHc (高システイン含有) タンパク質成分においてカイコと異なるものがあることが明らかとなった。両種のF1では両親の形質が共優性的に発現されていた。F1♀にカイコ♂を交配して得られたBF1においてはタンパク質パターンの分離は幼虫体色のそれと一致しており, カイコで知られているようにクワコでもコリオン遺伝子群は体色遺伝子と連関しているものと結論した。クワコの卵殻から外層をかき取り一次元および二次元電気泳動で分析したところ, Hcタンパク質が多量に含まれていることが判明した。コリオンタンパク質成分の卵殻層における局在性を直接証明したのはこれが最初である。
  • 吉田 重信, 白田 昭
    1998 年 67 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    クワ炭疽病の生態研究に用いるために, 本病原菌3種の nit 変異株 (nitrate-nonutilizing mutants, 硝酸塩利用能欠損変異株) の作出を試みた。その結果, Colletotrichum acutatum および Glomerella cingulata の1菌株から nit 変異菌株が作出されたが, 本病の主たる病原菌であるC. dematium からは作出されなかった。また, これらの変異株は, 硝酸塩, 亜硝酸塩, ヒポキサンチン, アンモニウム塩および尿酸の5種の窒素源利用能によりnit1, Nit3, nitMにの表現型に分類された。作出された変異株とそれらの野生株とのクワ葉に対する病原性程度を比較した結果, ほとんどの変異株は野生株と同等の病原性を有していた。以上の結果より, 今回の手法により作出された変異株は, 野外での病原菌の生態研究にマーカーとして利用できうるものと考えられた。
  • 桜井 真紀子, 四方 正光, 佐野 義孝, 橋本 義文, 松本 継男
    1998 年 67 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    AcMNPVが非感受性培養細胞であるカイコ培養細胞BmN4に対して示す病毒性について調査した。種々の量のAcMNPVをBmN4細胞への感染に用いた場合, 細胞増殖の有無を決定するウイルス量が1.4と0.7TCID50/細胞の間にあることが判明した。このウイルス量は, 1ウイルス粒子/細胞に相当すると考えられた。また, このウイルス量を境に, 感染細胞のたんぱく質蓄積は完全に停止することが判明した。ウイルスDNAの蓄積は, BmNPVがBmN4細胞へ感染した場合ほどではないが, 検出された。出芽型ウイルスの産生は, AcMNPV DNAをトランスフェクションしたBmN4細胞では認められなかったことから, 一般にAcMNPVを感染したBmN4細胞培養上清中に存在するウイルスは, 感染細胞から産生された子孫ウイルスではなく, 感染源として用いたウイルス液に由来すると考えられた。
  • 飯塚 英策, 澤田 和宏, 本島 淳
    1998 年 67 巻 3 号 p. 217-221
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    著者らはフィブロインをDMFに溶解させてゾルとした後, ポリウレタンDMFと混合して無色透明な皮膜を調製することができた。この皮膜の両成分は均一に混じり合い, 新しい構造を形成しているものと考えられる。皮膜の弾性率はフィブロイン含有率の増加に伴って上昇し, 含有率10%において約10倍となるが, 強度と伸度とは含有率の増加とともにやや低下する一方, 含水率の上昇が見られた。
  • 徐 豫松, 管家 英治, 川崎 秀樹
    1998 年 67 巻 3 号 p. 223-230
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコ5齢期から蛹化直後まで脂肪体組織のタンパク質合成能を35S-メチオニンを用いて組織への取り込みを2次元電気泳動法によって調査した。5齢幼虫前期 (0時間~96時間) の発育に伴いポリペプチドの種類および合成速度が顕著に増加し, 96時間に最大となった。その後, 種類および合成速度がともに減少した。吐糸期間中 (154時間~178時間) には, 合成速度が一時増加した。蛹化前後に検出されたポリペプチドの種類は少なく, 合成速度も最低であった。発育に伴う脂肪体組織の変化を調べた結果, 細胞の核小体の数, 大きさの増大の見られる時期とポリペプチドの合成の盛んな時期が一致していた。ワンダリング開始から吐糸終了期 (154時間~210時間) に新たに7種類のポリペプチドが検出された。そのうちP7は30Kタンパク質の1種に相当すると考えられ, 他の6種類のポリペプチドはこれまでに報告がないものであり, 変態期に特異的に出現することが明らかになった。またこれらのポリペプチドは変態期の脂肪体組織の急激な形態学的変化と関連があると推察された。
  • 大浦 正伸, 彭 彦昆
    1998 年 67 巻 3 号 p. 231-236
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコ飼育施設環境の自動制御を可能とするためパソコン, 温湿度センサー, 記録計, 信号入出力装置等から計測制御システムを構成した。計測制御プログラムを作成して機能の検討を行った結果, 経日・経時の最適温湿度環境条件を設定するとともに, 温湿度データの計測収集が可能であることから, パソコンによるカイコ飼育施設の温湿度環境計測及び制御の可能性を得た。
  • 浅野 真一郎, プジャスツティ ユリア, 佐原 健, 伴戸 久徳, 菊田 治典, 飯塚 敏彦
    1998 年 67 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    本実験において, 供試された Bacillus thuringiensis 菌株は, 北海道大学農学部応用分子昆虫学講座保存の基準菌株, 北海道の土壌ならびに死亡昆虫から分離された菌株である。ハスモンヨトウに強い殺虫活性を有するB. thuringiensis 菌株を選抜するため, それらの菌株の, 3齢ハスモンヨトウ幼虫での殺虫活性試験を行った。
    ハスモンヨトウに殺虫活性を有するcry1遺伝子の同定をPCR法にて行った。Serovar entomocidus 基準菌株ならびに serovar kenyae 基準菌株から, それぞれクローニングされたcry1Ccry1E遺伝子が, ハスモンヨトウ幼虫に殺虫活性を有していた。一方, serovar tolworthi 基準菌株ならびに serovar darmstadiensis 基準菌株からクローニングされたcry1E遺伝子は, ハスモンヨトウ殺虫活性を有していなかった。
    Serovar galleriae Acp10-8株ならびにwuhanensis 基準菌株は, 強いハスモンヨトウに対する殺虫活性を有しているのにも関わらず, cry1Cならびにcry1E遺伝子を保有していなかった。これらの2株については, 新規のcry遺伝子を保有していると考えられる。
  • 村上 理都子, 白田 昭, 安居 拓恵, 高杉 光雄, 長尾 繁光
    1998 年 67 巻 3 号 p. 243-245
    発行日: 1998/06/29
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
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