非金属結晶中の光は, 結晶素励起の分極場と結合してポラリトンと呼ばれる混成波となり, その独自の分散関係に従って伝播する. フォノンや他のポラリトンによる散乱も, その分散曲線上でエネルギーと波数スペクトルの保存則を満たすように起ることが直接確かめられるようになった. 特に素励起が電子正孔対の束縛状態から成る励起子のとき, ポラリトンの分散は多成分構造をもち, その形やそれに伴う光学現象は多種多様な姿を示す. その多彩な様相の理論的な記述と, 実験的にポラリトンの挙動をまざまざと描出する波数空間分光法の最近の発展について, 大筋の紹介を試みる.
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