磁気記録には, 発明以来ほぼ90年の歴史がある. 広く普及したのは1950年代以降であるが, 今のレコーダーはすべて, 磁性材料を長さ (平面) 方向に磁化して用いる長手記録方式を採っている. これに対して本文では, 磁性材料を面に垂直な方向に磁化する新しい垂直記録方式について述べている. この方式では信号をより高密度に記録することが可能になるわけで, これまでに得られたデータによれば, ほぼ目的を達しているように思われる. 昔の実験にも垂直型のものが見られるが, 最近それが可能になったのは, 材料科学の進歩により, 垂直記録に適した記録材料, 磁気ヘッドなどを作製できたためである.
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