3d遷移金属カルコゲナイドの多様な磁性と伝導性はモット・ハバード型電子過程として理解されてきたが,最近,電荷移動型電子過程のものも発見された.このような観点から,典型例としてNiAs型とその関連構造の化合物での原子空孔・圧力・不純物に敏感な特質を取り上げる.電子構造についての実験や計算の情報に基づいて,次の現象を紹介する.(1)dバンド金属VSとV空孔によるV
5S
8とVBaS
3でのバンド磁性出現,(2)Cr-Te系化合物でのキュリー温度の圧力依存性とCr空孔効果,(3)高圧力によるMnTeの構造・電子相転移,(4)NiSの金属-非金属転移に対する圧力・空孔・不純物効果,(5)Co置換や高圧力によるFe
7S
8のモーメント崩壊現象.
抄録全体を表示