科学も,分解から組み立へ,要素から全体へ,単純から複雑への転換点に達している.無用な相互作用を全て切り捨て,単純で純粋な相互作用を探る要素還元論も,古典力学,電磁気学,相対論,量子力学,素粒子論と物質のもつ要素をほぼ把握できるまでになった.さて,一つの系の構成要素の全ての相互作用が記述できたとして,その系のふるまいの予測ができるであろうか?答は,ほとんど否であろう.ここに,自然を自然の姿のまま理解する新しい見方,方法論,即ち,新しい科学のパラダイムが望まれる.自然界は,いたるところで新しい秩序の創造を続けている.プラズマ現象を例に取り,自然の造形の妙味,その仕組み・からくりの中に潜む普遍性を探ってみる.
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