1994年の暑い夏の最中, 素粒子理論の分野でひとつの「事件」が起きた. コンピュータ・ネットワークを通して毎日眺める新版プレプリント情報に掲載された Seiberg Rutgers 大) と Witten (Princeton 高等研) の共著による2本の論文が原因である. 彼らは, 4次元 (時空(1+3)-次元) の N=2 超対称非可換ゲージ理論の真空構造に関する近似なしの厳密な結果を得たというのである. これが素粒子理論研究者の間で大きな反響を巻き起こした. また, その評判は分野を越えて広まっているようで, 米国では新聞紙上をも振るまわしたとのことである. そこで, この解説ではSeiberg-Wittenの仕事の成果とその意義をまとめてみる.
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