自動車産業では,サイバーセキュリティ対策の進展が必要になっている.このため,日本自動車工業会と日本自動車部品工業会がサイバーセキュリティガイドラインを策定した.このガイドラインでは,会社全体をベースとするエンタープライズ領域を対象として自動車産業全体が優先して実施すべき項目、取り扱う情報によって標準的に目指す項目,最終到達点として目指すべき項目を明かにしている.本稿では,エンタープライズアーキテクチャのモデリング言語であるArchiMateによってサイバーセキュリテイガイドラインを表現する方法を提案する.また,本手法によりサイバーセキュリティガイドラインの記述を例示することにより,提案手法の有効性を明らかにする.さらに,今後の展望について述べる.
大規模言語モデルを用いたChatGPTをはじめとした生成系AIの急速な進化により、様々な分野でその活用が行われている。その一方で、生成系AIの特性から、その活用を制限するべき適用領域も存在する。そのため、生成系AIの業務適用においては様々なガイドラインが提示されている。本研究では、エンタープライズアーキテクチャを用いて知識流通モデルを作成し、そのモデルを通して大規模言語モデルを用いた生成系AIの業務活用を分析する手法を考える。そして、事例分析を通して分析手法の有効性を確認する。
ソフト開発業界においてデジタルトランスフォーメーション(以降,DXと呼ぶ)を推進するためには,開発工程を自動化する視点で開発文書を分析して適切な粒度で記述内容をデジタル化しておく必要がある.また,デジタル化の効果を最大化するためには,ソフト開発現場の賛同を得てデジタル化の推進ツールを幅広く活用してもらう必要がある.本書では,開発現場の仕事の仕方を踏襲した上で,開発文書の記述内容をデジタル化された設計データとして記録できるDX推進ツールを効率的に構築するプロセスについて提案する.
自動車産業では,サイバーセキュリティ対策の進展が必要になっている.このため,日本自動車工業会と日本自動車部品工業会がサイバーセキュリティガイドラインを策定した.このガイドラインでは,会社全体をベースとするエンタープライズ領域を対象として自動車産業全体が優先して実施すべき項目、取り扱う情報によって標準的に目指す項目,最終到達点として目指すべき項目を明かにしている.本稿では,サイバーセキュリティガイドラインの目指す方法を明らかにするため、システム思考の観点から分析する方法を提案する。システム思考では、システムの活動を誰が、何ために、どのような手段で実施するのかを系統的に分析できる。また,本手法によりサイバーセキュリティガイドラインのシステム思考による分析を例示することにより,提案手法の有効性を明らかにする.さらに,今後の展望について述べる.
昨年より生成系AIの活用が注目されている。例えばチャットボットであるChatGPTに質問することで、自然な回答が得られることから、さまざまな業務への応用が期待される。プログラミング分野においても、ChatGPTの支援により効率化されるとの報告があるが、答えの検証が必要なため扱う人間にプログラミング知識があることが前提であると考えられる。筆者らはJupyterNotebookを活用したプログラミング演習の方法に関して検討を進めているが、ChatGPTを活用することで、人間に代わって支援を行う方法を提案する。
製造業における生産工程の設計では,経験者が持つ経験知である不具合究明知識の初心者への移転が必要になっている.レナードとスワップは,実験的学習を通じて経験知を習得することが重要だと指摘した.しかし,具体的な経験知の表現方法や実験的学習方法を明らかにしていない.実験的学習の具体的な過程を明確化できなければ,熟練者から初心者への知識移転が困難である.本稿では,生産工程の不具合究明における経験知を学習するために,初心者による試行体験と熟練者による原因教示からなる2重ループに基づく体験的学習法(Double Loop Experimental Knowledge Transfer, DLEKT)を提案する.また,DLEKTで簡単な組み立て工程の不具合究明過程を例示することにより,提案手法の有効性を明らかにする.さらに,今後の展望について述べる.