野球におけるバッティング理論の研究には、ほとんどの研究がボールとバットの運動量のみが打球のスピードを決める(従来モデル)として進められてきた。この発表では、第4回研究発表会で発表させていただいた「スポーツにおける股関節稼働域の影響とそのメカニズムおよび応用についての考察」でのバッティングモデル(捻りモデル)に基づいて、ボールとバットの運動量だけでなく体幹から直接ボールに与えられる力積成分を加えたモデルを提案したい。体幹からの力積成分については、「従来モデル」ではボールとバットの接触時間が短いことから考慮されてこなかったが、「捻りモデル」に基づくモデルでは重要な要素であり、かつ観察から得られる実際の動作により適していることを示したい。また併せて「捻りモデル」から考えられる、具体的な野球能力開発方法についても提案したい。