2016年度から電力小売の全面自由化が開始され、様々な電力小売事業者が新規参入できるようになった。しかしながら、電力小売事業者にとって電力調達の計画を立てることは、複雑な需要家の需要予測と電力の市場価格の不確実性を伴うため、熟練や過去の実績データが豊富になければ困難である。本研究では、データの多寡によらず、有効な電力調達計画を立てる手法を提案する。高圧の需要家の実績値をクラスタリングし、需要家によっていくつかのパターンが得られた。また、そのパターンの定性的な考察から、需要予測に有効であることを示した。
ワークフローに基づく作業に対して,作業者の知識として表現できていない慣習的な行動や気づきを顕在化し,ワークフローを修正することにより,作業効率や安全性の向上などが図られている.この際に,ワークフローの維持管理,改善が課題となっている.本研究では,行動センシングデータに基づくワークフローの修正法の構築を目的とする.所与のワークフローに基づく作業に対して,行動センシングを行い,データ分析からペトリネットを作成し,ペトリネットの分析からワークフローの維持管理,改善を試みるというものである.模擬実験によって提案手法の妥当性について検討する.
造船分野において船舶の性能変化を検知するモニタリング技術が開発されている。このモニタリング技術導入によって適切なタイミングでのメンテナンス実施が期待されるが、そのルールの設定や経済効果の予測は困難であるのが現状である。本研究では船体・プロペラ汚損モニタリング技術を対象に、メンテナンスルール提供による船舶への技術搭載時の経済価値を最大化する手法を提案する。アプローチとして、海運市場、気海象、運航状況に対応したルールを導入した運航シミュレーションを行う。