人工頭脳の情報処理*1において、意思(顕在意識)が関与し活性化した情報*1をモニタし、会話同様に理解することで、人工頭脳自身が何を情報収集し、何を考え、何をしているのか把握することができる。これは、人の意識(思考や判断はしない)のモデルの1つと見做せる。本論では、このプロセスを紹介する。*1情報処理:外部(内部)情報収集、仮想視野空間生成、思考(意思が関与し意思の意向を反映した意志、実行ストーリー等の生成)、行動(状況判断、視線誘導)など。
人口の減る日本において、自治体の職員数は減少している。自治体は抜本的な業務改善の必要があり、AIやITを活用する傾向がある。その中で、対話システムが窓口案内をする事例が増えている。そこで我々は、窓口を自動案内するシステムを構築し、協力自治体で実証実験を行った。2020年のプレ実験では、高齢者が音声認識を知らない傾向にあった。そのため、タッチパネル式の案内にも対応した。その結果、職員を模倣したイラストを用いることで、ユーザビリティと親和性が高くなることが分かった。
ニューラルネットワークを構成するための探索コストを抑えるために将来的により少ない遺伝情報から大規模かつ複雑なニューラルネットワークを探索・構成する試みが行われるものと想定し、参考として後生動物の神経組織形成に必要な遺伝子の数がどの程度であるかを簡易的に調査した。各生物種の遺伝子の数は線虫からクジラまでいずれも10,000~20,000個程度であり、ヒトの遺伝子約20,000個のうち、神経組織形成に関与するものの数は3,500~8,500個程度と見積もった。
実世界で動作する十分に性能の高い強化学習エージェントは汎用人工知能であると見なせる。ヒトの大脳もおそらく強化学習を用いて報酬を最大化する器官である。本稿では脳を階層型強化学習を用いたプログラム合成システムと見なし、その機構を計算機上で再現することを目指す筆者らの取り組みの現状について整理するとともに、これから取り組むべき海馬・前部帯状回・皮質下の機構のモデルに関する展望を述べる。
I will present two different applications - Dual PECCS and the TCL reasoning framework - addressing some crucial aspects of commonsense reasoning in a way that is integrated or compliant with different cognitive architectures.