本研究では多くの企業においてPowerPoint形式で作成されるプレゼンテーションのための作成支援システムの開発を目指す。プレゼンテーションファイルをスライド単位で管理し、メタデータを用いた属性付与や類似スライドの関連付けによる効率的なスライド検索方法と目次インターフェイスを用いた効率的なプレゼンテーション作成手法を提案する。
ソフトウェアの分析・設計において,熟練者が持つ問題解決を行う際の意図や着眼点,常識・専門知識を他の分析者に伝達することを目的とする.しかし,これらは文章表現が難しい暗黙知であることが多く,他の分析者は必ずしも熟練者の設計判断を理解できるとは限らない.そのため、設計思考過程を表現するテンプレートとしてCAPISモデルを提案し,設計思考過程の表現法と利用法の開発を進めている.
暗黙知の塊りである設計プロセス構造(情報の流れと検討工数)の可視化・最適化・伝承を簡便に行う技術(intedrated Design Structure Matrix)について紹介し、適用事例(エンジン構想、船舶配置設計など)から見えてくる設計部の課題について報告する。第18回設計工学・システム部門講演会”i-DSMによる製品設計プロセスモデリングに関する考察”の続報にあたる。
一般的にプロジェクトの成否はプロジェクトマネージャの能力にかかっており、トラブル発生時の対策はプロジェクトマネージャの交代である。しかし、的確にトラブル対応ができるプロジェクトマネージャの数は限られているため、確実にプロジェクトを遂行するために必要な知識を記録して伝える仕掛けの実現が望まれている。若し、有効な知識を登録するタイミングを知ることが出来れば、知識を登録できる可能性が高まる。そこで、本件は有効な知識を登録するタイミングを知る方法を提案する。
もの作りの根幹を支えるヤスリがけ技能に対して、ウェアラブル加速度・角速度センサを用いた評価尺度を作成した。尺度はヤスリがけ動作の機械的特徴である第2種梃子状動作と上半身の剛体化に着目して構築し、熟練指導員4名と訓練生10名のデータから妥当性を検証した。結果、提案尺度は指導員と訓練生を信頼度95%で切り分けた。また、特に秀でた1名、特に習得が遅れている1名、他の訓練生を信頼度95%で切り分けた。これは事前に得ていた熟練指導員1名の主観評価と合致した。
従来、人材のスキル評価は、履歴書や職歴書で行われてきたが、一流大学・一流企業の人間に有利な情報であり、真にスキルを提示する情報ではなかった。老練な人材のスキルは、学歴や職歴内容よりも、その人材が活躍した場面や状況、すなわちエピソードを分かりやすく説明する能力に関係し、その説明が若い人材への技能伝承に有効であると考えられる。その観点から、そのような老練な人材の発掘方法、そのスキルの記述とビジネスへの活用、さらにそのスキルの伝承方法について考察する。