本研究では,小型の慣性計測装置における3次元加速度データに基づく歩容評価指標の妥当性を検討する.通常歩行とは異なる10種類の歩行方法を実施し,安定性と効率性を算出した.その結果,歩行の特徴が評価値に反映され,妥当性があることが示唆された.
ドローイングは,美術教育における基本的な技法であり,入門者が最初に学ぶべき内容とされる.本研究の目的は美術入門者に対するドローイング学習支援システムの構築である.本稿では,熟練者の描画プロセスにより設計したドローイングプロセスグラフについて,2013年から2016年度の学生の描画プロセスデータを基にドローイング学習支援への可能性について考察する.
To design and create the architecture that useful for society, identifying the requirements in the architecture and identifying the requirements is a basis to design creation of architecture. We built a model of how to identify the kansei requirements that can be utilized at the process of design creation in architecture. Considering previous studies on existing environmental psychology survey methods, we proposed a new method combinatorically developed taking into consideration the features and problems of each method. Focusing on the latency of the kansei requirements, it was required to clarify the kansei requirements in detail according to the actual situation, and examined the subjective thinking method to encourage the utterance by subjecting it subjectively. We proposed an observation model for the kansei requirements and examined the method.
本研究では,和太鼓のバチさばきにおけるインパクト前のタメ動作に着目し,演奏者がどのような打ち方をしているのかを分析できる手法について検討した.手の甲に付けた角速度センサを用い,その波形特徴と映像を併せて見ることで,肉眼で見ていては分かりにくい打ち方の特徴が確認できることが分かった.
本研究では,盛岡さんさ踊りを対象とし,どの動きにより質の違いが生じているかを見つける手法を提案する.提案手法では,腰部の加速度データを用い,ヒストグラムから特徴部を絞り込むことを試みた.
被覆アーク溶接技能を対象として,構造化した技能情報から学習初期段階で必要な身体動作のコツを中心とした新たな学習法を提案し,実技によりその学習効果の検証を行った.さらに気づきによる習熟過程での技能情報の変遷について考察を行った.
本研究は,アスリートが行うべき「野生の実践」を問う.野生の実践とは,競技場に拘束された学びから解放され,「生活における身体・環境の双方に対して,直接的に意味を仕立てる状態である.本発表では,第一著者(陸上十種競技選手)による実例を示し,仮説提起する.
動作の相互作用を検討するために競技社交ダンス世界チャンピオンの計測を行った.社交ダンスは男女の身体が直接に接触し,協調して踊る特徴を持つ.単独で踊った場合と組んで踊った場合の動作を比較し解析を行った.
上演芸術領域において魅力的な身体表現はどのように生成されるのか.本研究は,ブレイクダンスを取り上げ,新奇な身体表現が生み出される過程を定性的・定量的に検討したものである.その際,熟達したダンサーに実際に新奇な身体表現を数日に渡る取り組みを通じて生成してもらい,その過程を各身体部位へ着目した頻度や関節角度等の運動データによって検討した.結果として,長期的な取り組みを経て着目点や運動が大きく変化したこと,参考にした領域技術に対する理解・解釈といった内的な制約を大きく変化させて新奇な身体表現を生成したこと,が示唆された.
多関節筋骨格系に基づく身体動作を,擬ーA*探索法の準最適解として求めるシステムを構築したのでその報告を行う.併せて,お手本動作の外形を真似ることにより,より習熟した筋駆動の動作を獲得する可能性について論じる.