シミュレーションを用いた業務プロセス改革においては、組織の行動や個人の能力など様々なパラメータを定量的にとらえ問題の本質を特定していく。しかしながら、判断の傾向や技能習熟度などのパラメータ項目については定量化が難しく、厳密に定義しようとすると大掛かりな測定が必要となり実行が難しくなってしまう。そこで本稿ではアンケートやインタビューを通じて簡易にパラメータ設定を行う手法を実際のケーススタディを通じて紹介する。
従来のプロジェクト管理方法である「各作業期日をしっかり見守ることでプロジェクトを管理する手法」とは異なり、「クリティカルチェーン(重要な作業の繋がり)の進捗と、プロジェクトバッファ(納期の前に組み込まれたゆとり)の消費を見守ることで、プロジェクトを管理する手法『CCPM』とこの管理手法を実現するソフトウェア『BeingManagement3』を一部ご紹介いたします。
本研究は、技術開発に関する知識の継続的管理(ナレッジマネージメント)を充実されるために、その知識の実体である文書の検索容易化を目指している。現在、製造業の多くはISO9001の認証を受けており、あるルールのもと文書は管理(分類)されているが、効率よく検索することを考えて分類されているわけではない。本研究では「文書を検索する行為」をオントロジー化し、一方で文書を内容別に集合化して、オントロジーの検索クラスがその集合体にアクセスすることによって、効率のよい検索を図るものである。
手術手技技能は、製造業の「手わざ」と同様、言語表現が困難な身体知であり、その習得には指導医による「手取り足取り」の指導を要する。我々は、内視鏡下鼻内手術手技を対象に、鏡のメタファーである「超鏡」技術を用いた遠隔指導/自習システムを開発し、初心者への手技教授実験により有効性を確認した。本システムは、学習者と指導者の映像を隣同士に合成・鏡像として呈示することで、姿勢や器具の角度をお手本と比較しやすく、お手本を真似ることで正しい手術器具操作を容易に体得できる。
医療サービスは,医学的側面からの設計だけでなく,患者の心理や生活など生活体としての側面からの設計が求められる.本発表では,医療サービスの目的を,患者が抱える問題の患者視点による表明(これをプロブレムと呼ぶ)を表現するオントロジーを基礎にすることで,医療サービス設計での,前提やサービス目的を表現すること,サービスに込められる意図を表現すること,それを踏まえてサービス設計知識を獲得・共有する方法について述べる.