人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
2018 巻, BI-008 号
第8回 ビジネス・インフォマテックス研究会
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 竹内 亮介
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 01-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    クラウド会計ソフトである会計freeeはサブスクリプションモデル、つまり課金すると一定期間利用できる形式で提供されている。サブスクリプションモデルでは課金後の顧客離脱率をいかに低減させるかががビジネス上重要であるが、顧客がいつ離脱するのかを予測するのかは一般に難しい問題である。今回機能を使いこなしていない顧客は離脱しやすいとし、過去データを用いて、入力として顧客の機能の利用状況などの情報、出力として離脱是非、SVMによる顧客離脱予測モデルを作成したところ、再現率が80%以上、F値が80%程度となった。遅行指標である顧客離脱を、予測モデルにより先行指標とすることができ、顧客離脱前に対応が可能となった。

  • 太田 明, 高橋 大志, 兼田 敏之
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 02-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    不動産経営(賃貸業)において、売上にあたる賃料収入の把握は重要である。特に、賃貸不動産の取得・開発時においては、建物の良し悪しもさることながら、その立地における賃料を予測できることが望ましいが、立地評価を定量的に行うことは難しい。 都市空間の構成を定量的な尺度として求めるものに、ロンドン大学グループが提唱したスペース・シンタックス理論がある。この理論に基づいた解析手法である可視性グラフ分析により、視認性を表す可視領域や街路網中心性を表す統合値を算出し、これを立地評価として賃料要因に加えることを試みる。 本研究では、神田駅、渋谷駅の異なる特徴を持つ2つのケースを比較することで、その有用性を検討する。

  • 濱脇 諒, 和泉 潔, 坂地 泰紀, 米納 弘渡
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 03-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
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    ある企業の倒産が原因となり、その他の企業まで倒産し、ドミノ倒しのように連鎖が続くことを連鎖倒産と呼ぶ。本研究では、エージェントシミュレーションを用いて、「銀行の保有する市場性資産の価格変動」と「銀行間の貸借ネットワーク形状」を変化させた時の銀行の連鎖倒産への影響を調査した。得られた結果は以下の通りである: (1)市場性資産の価格の変動率が高いほど最終的な倒産数も増加する; (2)リンク密度が高いほど最終的な倒産数は減少する。これらの結果は、銀行の連鎖倒産の原因が、市場資産の価格変動と銀行間の貸借のどちらか一方ではなく、両方であることを示唆している。

  • 菊地 剛正, 高橋 大志
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 04-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    昨今,ファイナンス分野においては人工知能やBig Dataの利活用に関心が高まっており,当該技術を用いて投資意思決定を行うファンドが新設されつつある.本研究では,このような諸ファンドに対し,ファクターモデルを用いた投資パフォーマンス分析を行う.

  • 尹 聖在, 菅 愛子, 高橋 大志
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 05-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ニュース発信と株式取引の関係について報告されている研究の多くは日次単位での分析にとどまっており、韓国市場について秒・分単位での分析と機械学習の両方を用いた詳細な研究はこれまで報告されていない。本研究では韓国株式市場の企業に関するニュースと株式取引の関係について高頻度データを用いて分析し報告する。またニュース内容と株価収益についてLSTMを用いた分類を行う。

  • 李 晟陽, 菅 愛子, 高橋 大志
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 06-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
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    近年、情報に対する関心が高まっている。個人が情報を獲得・処理するには様々な技術が必要とされる。このような中、近年、技術を有する主体と、有せず情報処理ができない主体との格差が広がる可能性がある。本研究では、取引市場を対象とし、主体が保有している情報の格差が、個々の主体及び市場全体に及ぼす影響についてエージェント・ベース・モデルを通じ分析する。本研究では、情報の保有が特に有益となる可能性のある相対取引に焦点を当て分析を試みる。具体的には、sugarscapeのモデルを用い、個人(エージェント)の情報格差を移動行動と取引条件に反映する。今後の課題として、金融市場への応用とよりエージェント学習の高度化を検討する。

  • 鳥山 正博
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 07-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
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    現在、デジタルマーケティングを行うビジネス上での重要な課題は、プラットフォーム(より一般的にはネットワーク)の拡大・衰退の予測、プラットフォーム間の競争、ネットワーク自体の拡大の施策、ネットワーク内を伝播させるための施策等である。現実には膨大なログは取れるようになったのでそれを用いてこれらのシミュレーションが出来ることが望ましいが、未だそのためのツールが存在しない。ここではエージェントベースの(ほぼ)万能ネットワークシミュレーター+ディープラーニングによる現実との接地を提案したい。これが完成すると、人々のネットワーク張り行動・ネットワーク上の振る舞いが変わらなければ今後そのネットワークがどのように成長しその規模・性質がどのようなものになってゆくか、ミクロのルールや行動原理の変化がネットワークの規模・性質をどう変えるか、を現実のログに基づくパラメタを用いてシミュレーション出来るようになる。

  • 軽部 勲, 倉橋 節也
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 08-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
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    近年,農業分野では農業法人の増加などにより,生鮮野菜をはじめとした作物の流通における卸売市場の経由率が低下し,市場外の相対取引の割合が増加している.しかし,高齢化によって相対取引が難しい生産者や小規模で包装や輸送の手配が困難な生産者にとって,従来の協同組合による大規模な集荷,全国的の卸市場への出荷システムは依然として重要な役割を担っている.本研究では,一定の規模を持つ農業法人が相対取引にて小売店や外食産業業者へ出荷する場合と,小規模農家が協同組合を通じて卸売市場へ出荷する場合の取引活動をモデル化し,マルチエージェント・シミュレーション(MAS)を利用して,各々の取引方法の特徴を分析する.

  • 半田 拓, 倉橋 節也
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 09-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    In recent years, the crowdfunding market is expanding in Japan. Not only the purpose of financing, the number of projects aimed at the use of as test marketing and promotional activities has been increasing. In this study, we propose a hypothesis that voluntary participation behavior improves brand loyalty of a company. In the crowdfunding market, consumers invest in a favorite project and they spread the project through SNS subsequently. We design a model of the crowdfunding market using an agent-based approach and intend to clarify roles of the consumer behavior in forming the brand community through crowdfunding. In this paper, as a design stage, we describe the modeling concept of the crowdfunding market.

  • 韩 原草, 菅 愛子, 高橋 大志
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 10-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
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    近年、機械学習のアルゴリズムが発達し、様々な分野において応用がなされている。資産運用分野においても、企業の業績予測、倒産予測などをはじめとし、数多くの応用事例が報告されている。このような中、本研究では、株式ポートフォリオ構築時における個別銘柄のスクリーニングへの応用を試みる。具体的には、月ごとにTOPIXなどのインデックスに含まれる株式の中からポートフォリオに保有しない銘柄を機械学習を用いて分類し、優れたポートフォリオの構築を目的とする。本分析では、複数の機械学習手法を用いて、ポートフォリオ構築し、それらポートフォリオの収益性について分析を行う。

  • 内山 朋規, 瀧澤 秀明, 菊川 匡
    原稿種別: 研究会資料
    2018 年 2018 巻 BI-008 号 p. 11-
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2022/02/25
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    資産価格のプレミアム(期待リターン)は時系列に変動し,リターンが予測可能であることは現在のファイナンスにおける標準的な考え方である.実務においては投資パフォーマンスの向上のために,学術研究においてはプレミアムの特徴を解明するために,ファクター(予測変数)によってリターンを予測する分析が精力的に行われてきた.しかし,統計的にこれを検出することは容易でないため,より有意な実証的証拠を得ようとデータマイニングを行うと,実際には無意味であるにもかかわらず有意に見えてしまうというオーバーフィッティング(過剰適合)を引き起こす.特に近年では,ビッグデータとして多様なデータを低コストで扱えるようになり,また,工学的な側面から機械学習への注目度が増している.これらは予測精度の向上に貢献する可能性がある一方で,オーバーフィッティングの可能性をより高めてしまう. オーバーフィッティングは,予測対象の標本数が有限であるにもかかわらず,変数選択に自由度があることから生じる.通常の単一検定の基準ではなく,多重検定であることを考慮して有意性を評価する必要がある.従来の資産価格理論の実証では,この影響が軽視されてきた.本研究では,変数選択の自由度だけでなく,モデル選択の自由度,言い換えれば,モデルマイニングの問題も含めて扱う.この結果,時系列におけるリターンの予測可能性を対象に,オーバーフィッティングの影響が大きいことを実証的に示す.変数選択やモデル選択に伴う多重検定を考慮すると,t値の分布は大幅に上方にシフトし,有意水準の臨界値は極めて高くなる.本研究の結果は,ファイナンスの学術的枠組みにオーバーフィッティングの問題を体系的に取り込む必要があることを示唆している.

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