オントロジーは一般に,含まれる概念のレベルやドメインに沿って,複数の部分的なオントロジーから構成されるとみなすことが可能である.本研究では,これら部分となるオントロジーを個別かつ並列的に構築する環境の提供を目指している.相互の整合性を保つため,特にオントロジー間の依存関係に注目して研究は進められた.
Tim Berners-Leeにより提唱されたセマンティックWebは,オントロジーが切り拓く次世代Webとして盛り上がりをみせ,今では,さまざまな研究開発分野のキーワードとして登場している.そして,セマンティックWebの定義や期待は,関連分野の技術発展とともに,今後も変化し続けると思われる.本稿では,MMM(Meta-Model Management)という観点から,知識工学の研究技術をセマンティックWebのコンセプトとして具現化させるプロジェクトについて,その構想などを紹介する.
DAML-Sにおけるプロセス記述を利用してWebサービスを連携させるソフトウェアを実装する場合,DAML-Sの記述内容を解釈し,実際にWebサービスを呼び出すためのコーディングが必要であり,開発者にとって負担となっていた.本発表では,Webサービス連携の記述言語としてDAML-Sに着目し,DAML-Sで定義されたサービス連携を実装したエージェントのコードを自動生成するための枠組みを提案する
現在,オントロジーは人間の手作業によって構築されることが一般的であり,この作業は膨大な時間と専門家の知識を要する.これらの問題点を克服するためには現在,存在するリソースを用いてオントロジーの自動構築を行う方法が考えられる.そこで本稿では土木分野に焦点をあて,辞書ファイルやWebテキストに対してルール解析を行うことによって,用語だけを体系化したオントロジーであるシソーラスの自動構築を行い,結果と考察を述べる.
Web上にある情報を計算機で知的にハンドリングするためにはその情報の内容を表すメタデータが重要な役割を果たす。しかし、メタデータをつけることのコスト・パフォーマンスが課題となり実用的な応用分野を見つけにくいのが現状である。企業教育において人的資源開発(HRD)の立場から教育コンテンツを扱うには教育的に有意な情報を付加することが有効であり、セマンティックウェブの考え方によるシステム構築が効果を発揮すると考えられる。本論文では、企業教育分野におけるセマンティックウェブ技術適用例とその実用化のためのアプローチについて述べる。
セマンティックウェブにおいて意味的相互運用性を実現するには,不均質なオントロジを統合する必要がある.オントロジを統合する際,対応するオントロジが存在しない場合が多いため,近似処理が必要である.しかし,従来のオントロジ統合の研究は,近似処理に対する明確な意味論を与えていなかった.そこで,本稿では,不均質なオントロジの近似統合に対し明確な意味論をもつ問合せ近似変換手法を提案する.