Web上にあるデータをLinkedDataとして扱えるようにする方法の開発は重要な課題である.Web上にあるデータの典型例として,博物館の収蔵品や製品のカタログのようにキー・バリューのペアとなっているものがある.本発表では,キー・バリューデータを含んでいるWebサイトをLinkedDataに再構成するためのプラットフォームについて,その構造や手法を報告する.
近年、Linked Dataが情報流通の仕組みとして普及しつつある。生物情報に着目すると、生物に関するデータベースが多数存在しているが、Linked Dataとして提供されている物は限られており、全てを網羅している物はない。また、生物の分類は変遷しており、種に複数の種名が付されている場合もある。本研究は、このような問題についてLinked Dataを用いた解決策を検討し、将来、生物情報基盤としての活用を目指す取り組みである。
BioLOD.org (Biological Linked Open Data)では、生命科学関連の公開データを、W3CのLODプロジェクトに準拠した標準形式で提供しており、Web Ontology Language (OWL)やOpen Biomedical Ontology(OBO)等のオントロジー形式にも対応している。2011年10月現在、BioLOD.orgデータベースには744クラス、788万インスタンスのバイオデータが統合されている。BioLODデータは、SciNetS.orgによるLODデータの閲覧、ProtegeによるRDFグラフの可視化、Generic Genome Browser (gbrowse)によるゲノムアノテーションの可視化にも対応する等、バイオインフォマティクス研究を促進する数々の利点を備えている。
近年,食や環境意識の高まりから野菜作りやインテリアグリーンへの関心が高まっている.しかし,都市の限られた環境で植物を育てるのは容易ではなく,不用意に繁茂させたり,逆に枯らしてしまうケースも多い.また,インテリア/エクステリアとしては周囲との調和も気になるが,成長時の生い茂った姿を想像するのは難しい.そこで本論では,スマートホンのセンサーを用いて,植裁スペースの環境条件に適した植物をLODクラウドから検索し,成長時の姿をARで実空間に重畳表示するAndroidアプリの開発について述べる.
筆者らはすでにW3Cの指針に従って英語WordNetのRDF化を行っているが,日本語WordNetの出現によってRDF資源として新たに既存日本語辞書とどのように連携するかが課題となっている.また,LODの動きが活発化するにつれて,Web資源や非Web資源をどのようにRDF化したらよいのかについても,各所で試行錯誤が行われ,その結果RDF統語論とRDF意味論に加えて新たにRDF語用論とでもいうべき課題が見えてきた.本報では,英語WordNetのRDF化の経験を踏まえて,日本語WordNetの構築と辞書のRDF化についてLODの視点から議論する.
これまで研究開発してきた日本語Wikipediaから自動構築したオントロジーである日本語Wikipediaオントロジーには,上位クラスの欠如およびクラスに適切なプロパティ定義がなされていないという問題があった.本研究では,日本語Wikipediaオントロジーと日本語WordNetを統合することにより,日本語Wikipediaオントロジーにおける上位クラスの補完およびプロパティ付きクラス階層を構築することを目的とする.本発表では,日本語Wikipediaオントロジーのクラス階層において,兄弟クラスが持つ共通プロパティを上位クラスにリフトすることにより,プロパティ付きクラス階層を構築する手法を提案する.また,日本語Wikipediaオントロジーと日本語WordNetの統合の試みを紹介する.
近年,さまざまなオントロジーが構築されており,それらを利用した応用アプリケーションの開発も進められている.アプリケーションを開発する上で,開発者が求める情報をオントロジーから抽出することは重要である.本研究では,意図に応じた情報を適切に抽出するために多段階展開型検索手法を提案する.
現状,多くのECサイトの商品検索機能はカテゴリ絞り込みやキーワード検索に限られており,言葉での特徴指定が困難な服飾系商品に関してはサムネイル画像を順に見ていくしかないという問題がある.そこで本研究では,ユーザが閲覧したサムネイルを画像局所特徴量に基づいて服飾オントロジー上にマッピングすることで,ユーザのデザイン嗜好を推定する実験を行った結果について述べる.