近年LODに関する活動が活発になり,LODサイトの数は年々増加している.今後は研究目的で専門家が作成するのではなく,より実用的なLODサイトが専門家でない人たちの手で作られていくことが必要である.しかしそういった人たちにとってLODサイトを作成するには技術的な困難が伴う.そこで自由にデータを登録できるRDF Storeと,そのAPIとしてJavaScriptライブラリを提供することでこの問題を解決する.
落語家や力士,歌舞伎役者は,名跡を表す実体とは別に,本人を表す実体が存在する.名跡と本人との関係は襲名によって変化するため,ある人物が持つ名跡が時間軸に沿って変化する,あるいは一つの名跡によって示される人物がその時々で異なるといったことが起こる.本発表では落語家を例に,襲名に伴う名跡と人物との関係の変化をRDFで表現するためのデータモデルを提案する.
「自然に学ぶものつくり」を目指すバイオミメティック(Biomimetics)研究の発展には,生物資源をはじめとする多種多様なデータや知見のスムースな連携が必要とされる.本研究では,オントロジーとLinked Dataを用いた,生物種や分野を超えた柔軟なデータ連携を可能とするバイオミメティック・データベースの構築について考察する.
SOCIA (Social Opinions and Concerns for Ideal Argumentation)は,地域社会での住民参画を支援するために設計されたLODデータセットである.本研究では,SOCIAを被災地の復興促進やリスクコミュニケーションに活用するにあたって必要な拡張を検討する.具体的には,各住民が持つ復興目標をマッチングするサービスでの利用を目指し,そのために必要となるクラスやプロパティを検討した結果を報告する.
市民、NPO、企業、行政が発信したデータセットを地域が抱える問題を解決する過程で利用するためには、問題解決の観点から効率的に収集し、正確に再組織化することができるオントロジーの開発が重要となる。本研究では、その第一段階として、持続可能性にかかわる一般的な問題解決過程に着目したオントロジーとその設計プロセスを提示することを目的とする。
日本語Wikipediaから自動構築したオントロジーである日本語Wikipediaオントロジー(JWO)には,上位クラスの欠如,クラス-インスタンス関係の誤り,継承を考慮したプロパティ定義がクラスになされていないなどの問題があった.本研究では,オントロジーアライメントの技術を用いてJWOと日本語WordNet(JWN)を統合することにより,JWOにおける上位クラスを補完することを目的とする.