インターネットにおける自律的な情報組織化を促進するための概念として、潜在的ウェブログコミュニティ(Latent weBlog Community,LBC)を提案し、これを抽出するアルゴリズムとして、最弱対(the Weakest Pair, WP)アルゴリズムを開発した。LBCは類似の嗜好を持つ相互に知り合いではないブロガーたちの出会いの場であり、このブロガーたちのコミュニケーションにより、自律的な情報組織化を促進する。LBCは、PINGサーバにより得ることができるウェブログの更新情報と、ブロガーたちの共参照情報にもとづく二部グラフ集合から抽出できる。この抽出を行うWPは、共参照、被共参照情報を用いることにより、完全二部グラフに近い状態でクラスタを分割するため、類似トピックのLBCが抽出できる。この評価のため、従来の最短路ビットウィーンネス(the Shortest Path Betweeness, SPB)を用いた分割手法との比較を行い、WPの有効性を示す。これを用いた3つのLBCの抽出例とともに、二次的効果、同一ブロガーによる複数ウェブログの抽出というペルソナ検出の例を示す。
OWL-S 1.1に新たに局所変数とスコープ概念が導入されて,ウェブサービス出力からウェブサービス入力へのバインディング記述が可能になった.しかしこの新たに持ち込まれた仕様を,ウェブサービスの発見と合成に利用できるとは思われない.本報告では,我々の開発したセマンティックウェブ処理用言語SWCLOSをベースに,エージェントウェブサービスの発見と合成を可能にするタスク記述言語を設計する.この言語はタスクオントロジー記述言語であり,一つのタスクはOWL-Sのシンプルプロセスとアトミックプロセスにほぼ相当するが,発見と合成の結果として,局所変数やウェブサービス入出力パラメータのバインディング情報を生成し,必要であればOWL-S記述のコンパイル結果を出力する.
Semantic Webを用いることにより、コンテンツと概念を正確に関連付け、情報を過不足無く検索する事が期待されている。本稿ではユーザのプリファレンス情報を用い、オントロジの各リンクに設定した強度を更新し、更新された強度を用いて情報を選択する方法を提案する。
OSS (Operation Support System)開発を効率的に行う為に,開発時に作成するモデルを過去のモデルを再利用して,作成にかかるコストを削減できると考えている.そこで,UML (Unified Modeling Language)のモデルを作成する際に,オントロジーを利用することで新規開発で求められるモデルに類似するものを開発者に提示する方法を提案する.同時に,オントロジーを用いてモデル間の類似度を計算する方法の提案も行う.
現在のWebには利用可能なメタデータが少ないことがSemantic Web実現にあたっての大きな問題点となっている.そのため大量の既存のデータから自動的にメタデータを生成することが重要になる.本研究では表形式データから表構造のセマンティクスを学習することで,表中のデータに関するオントロジーを構築する手法を提案する.Webから得られた表形式データに対し提案手法を適用した結果,高い精度で表に記載されているデータに関するオントロジーが得られた.
本稿ではWikipediaの基盤ソフトウエアであるMediaWikiにおいてラベルを付加したリンクをかけるように拡張することで,シンプルなRDFに相当する記述が可能としたソフトウエアを紹介する.MediaWikiでのページ概念はSemanticWebのノードの概念と親和性が高いので,これを拡張することで,新たなSemantic Webへの入り口になることが期待される.
SCORM2004(学習コンテンツ国際標準規格)準拠の学習コンテンツの高度個別適応化に関してオントロジー工学的に考察し,それを基礎にした適応的学習コンテンツ設計支援環境の開発について述べる.