情報システムに係る公共調達において、ベンダーが、調達者からの「実施要領」や「総合評価落札方式」基準に則しつつ「要求仕様書」に対応した優れた提案書を作成するには、熟練が必要である。非熟練者が作成する場合、既存の仕様回答文書からパラグラフを流用することが効率的である。要求仕様書を分析して抽出した重要語と、提案目次とも照合して、既存の提案実績群から対応する回答パラグラフ候補を自動提示するシステムを開発した。
現在の組織活動では、様々な資料を組織活動の記録として残す活動が定着している。そして、長期間に渡って組織活動を行うことによって組織活動の記録が膨大になる。その結果、資料の全体像の把握や必要な資料の探索が困難になり、蓄積された知見が十分に活用できないという問題が発生する。この問題を解決するために、資料作成のタイムスタンプに着目して資料の時系列分布を可視化することで活動の流れを抽出し、資料探索の糸口とする手法について述べる。
社内実績資産の再利用によるスピード・コスト・品質の向上は重要であるが、情報に適切なメタデータが付与されていないため、情報探索者が有用な情報を発見するために多大な時間と手間がかかっている。未経験者から熟練者に至る様々な探索者毎に探索行動が異なり、探索時に必要なメタデータも探索者毎に異なることに着目し、情報に付与すべきメタデータを体系化する技法を開発した。本稿では、提案書作成時におけるケーススタディを行い、本技法の有効性について考察を行う。
デッサンにおいて,モチーフの形を正確に写しとるための比例法という測定方法が使われている.熟練者は,モチーフの基点を工夫することで効率的に比例法を利用しているが,そのスキルは言語化して伝達されているため初心者が理解し難い.そこで本研究では,熟練者の視線を利用した比例法の学習支援システムを構築する.具体的にはモチーフに対する注視時間と視線の移動経路から,熟練者の効率的な比例法の利用方法を分析する.更に視線の分析結果を基に,初心者に比例法利用時に注視する部分を提示するシステムを構築する.
筆者らはこれまでに災害時の避難誘導支援を行うために大規模施設からの避難の様子の計測およびシミュレーションを行ってきた.多くの避難訓練はいわば「やりっぱなし」の状況であり,避難の様子を記録・予測し,知見を伝承していくことは非常に重要である.本発表では新国立劇場で行った1300人規模の避難訓練を題材にして得られた知見を報告する.
痩身・メタボ改善・健康寿命を望む多くの国民がダイエットに高い関心を持っているが、安全性や信憑性を軽視したダイエットの場合、リバウンド・摂食障害・悪徳商法などのトラブルが繰り返し発生している。一方、医師や運動指導者などの専門的かつ科学的知見を根拠とした文献も数多く存在するが、一般国民には理解困難な内容も含まれている。そこで、筆者はこれら文献調査で獲得した知見および筆者自らの成功体験に基づいて、ダイエットに関する知識と手法の体系化を試みた。