ICT企業では過去の設計ドキュメントが多量に蓄積されている。一方で、新規開発やパッケージのアドオン開発時の既存設計ドキュメントの活用度合いは、設計者の経験に依存している。設計品質のバラつきは、後工程でさまざまな不具合を誘発し、情報システム開発期間の延長、工数増大による損益の悪化につながっている。ベテラン設計者がどのように設計情報を効果的に再利用しているかの調査を行い、調査結果に基づいて既存文書の活用方法を提案する。
船舶検査、なかでも船体損傷の発見、また、損傷原因の推論を踏まえた上での修繕計画立案には、ある程度の経験と知識が必要といわれている。これらの知識は暗黙知となっている傾向がある。一方、最近、オントロジーを活用した知識処理システムの開発が盛んに行われている。本研究では、船体損傷に対する原因推論と判断(経験的知識)をオントロジで表現・活用することによって、修繕方法の提示を行う知識処理システムを作成した。
本件はプロジェクト管理を支援するエージェントの実現に向けて調査した結果について報告を行う。プロジェクトにおいて生産性の低下は作業の準備不足により発生する。そこで、本件は次の作業準備期間と工程上の作業が重なる期間の作業の生産性に着目した。その結果、人は1週間以上先の作業については正確な優先順位付けができないこと、そして作業者により1日の中での作業パターンが異なることが解かった。そこで、本件は1週間の作業について、細かな作業計画を支援するエージェントの必要性を提案する。
技術・技能伝承を,作業者に対する行動センシングからの行動分析によって検討するという多くの試みがある.行動分析から特徴的な行動パターンを抽出し,作業内容,作業者の熟練度,行動パターンを結びつけるというものである.しかしながら,この際に作業負荷が考慮されることは少ない.伝承すべき技術・技能であっても作業者に過大な負荷をかけるようなものは好ましいものではない.このため,作業負荷算出法が必要と考えられるが,行動センシングからの負荷算出法は模索の段階にある.そこで,本研究では作業負荷算出手法の確立のために必要となる要素技術の確立を試みる.
近年、ソーシャルメディアの技術を企業内に導入し、コミュニケーションの効率化・活発化を通じて、イノベーションの創造につなげようとする動きがあるものの、企業内におけるソーシャルメディアの活用拡大には多くの余地を残している。本発表では、インターネットと人間行動の時代的変遷および企業内SNSの先行研究を振り返ったのち、「従業員のスキル・経験の可視化」とソーシャルメディアの技術を応用した「従業員間のリアルな繋がり」を通じて、企業内での人材育成を支援する仕組みを提案する。